クロレラが市場再興に向けて動き出した。欧米や東南アジアでは、「デトックス」「ヴィーガン」を切り口に、クロレラブームが到来。百トン単位での新規需要があり、日本市場への波及に期待がかかる。一方で、「植物性タンパク質」「ホールフーズ(全体食)」として、スポーツ分野からの注目も高まっており、アンチドーピング認証のクロレラ商品も登場。「オリンピック開催に向けて、新商品上市が加速するプロテイン製品の差別化素材として、複数の商談が進んでいる」とするサプライヤーも。“錠剤主体からの脱却”に向け、新たな用途開拓が進むクロレラ。高濃度CGF、イエロークロレラ、コスメ原料など、独自原料の提案も活発化している。
■タンパク質高含有ビタミン12を含む稀有な植物
クロレラにはタンパク質が約60%含まれており、ミネラル類ではカルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウムなどのマクロミネラルと、亜鉛、銅・鉄などのトレースミネラルをバランスよく含有。ビタミン類では、葉酸、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンEを含有。最大の特長は、植物類では稀有なビタミン12を含む点にある。
■デトックス、ヴィーガン、スポーツ海外でクロレラブーム到来
「年間百トンレベルの新規需要があった」という欧米・東南アジア市場では、デトックス機能が評価されているほか、プラントベースのホールフーズとして、ベジタリアンやヴィーガンから評価されているようだ。料理用にそのまま振り掛けられる粉末タイプや、麺やパンにクロレラを練り込んだ製品まで、さまざまな商品が流通している。さらに、㈱サン・クロレラが「アンチドーピング認証製品」を取得した『サン・クロレラAパウダー』は、「MLB(メジャーリーグ)やNHL(ナショナルホッケーリーグ)のチームに採用されている」とするなど、スポーツサプリメントとしての地位を築きつつある。
■デトックスで多彩なエビデンス若年層開拓の下地整う
日本のクロレラ市場拡大のネックとなっているのは、「クロレラ=錠剤数十粒」のイメージが固定されていることにある。錠剤主流の時代は、クロレラは国内流通量1,000tを超える市場を創出してきたが、多様化・利便化する健康食品市場でクロレラの価値は埋没。豊富な栄養素を有していながらも、「クロレラは錠剤で」の固定イメージがネックとなり、スーパーフード・青汁・スムージーなどのアップトレンド分野で、頭角を現せずにいた。
海外市場において、「スポーツ」「デトックス」「ヴィーガン」の各マーケットでクロレラが台頭してきているのは、日本でのクロレラ市場再興の大きなヒントになる。原料サプライヤーからは、「オリンピック開催に向けて、プロテイン製品の差別化素材として、複数の商談が進んでいる」「従来の高齢者をターゲットにした提案ではなく、若年層へのゼロからのプロモーションを行う必要がある」「まずは飲み方の提案。スムージー・青汁や飲料での伸び代はまだある」との声があった。
本記事の続きは「健康産業新聞1683号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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