2002年の厚生労働省通知から、「制度の認知向上」、「資格の活用方法」など、様々な課題が議論されてきたアドバイザリースタッフ制度。機能性表示食品制度やかかりつけ薬局制度の開始以降、消費者に対し、健康食品およびサプリメントの正しい活用方法や情報を提供する役割を担うアドバイザリースタッフを有効活用しようとする動きが広がっている。民間資格を運営する各協会では、セミナー・研修による最新情報の提供、企業での社員研修の導入、Web受講、市民講座への講師派遣、就・転職支援、新講座創設など、それぞれの特色を打ち出した事業を展開。充実のアフターフォローを用意し、資格取得者や受講者をサポートする動きが活発化している。
■消費者、健食選択「自信ない」(国民生活センター・宋林氏)
国民生活センター・理事の宋林さおり氏は本紙「新年特別号」(1683号別冊)の座談会にて、健康食品利用者1 万人を対象にしたアンケートデータに言及し、「選ぶ消費者が自分の選択に自信をもっていないことがわかった。効果が感じられないと増量したり、やめたりしている」とコメント。「機能性を有する食品に対して、どうやって消費者に説明して、自信をもって選んでいただけるのかをきちんとやっていかなければならない」と述べ、「セルフメディケーションにおける消費者リテラシーを上げていくことが必要不可欠」との考えを示している。自分の健康を自分で管理するセルフメディケーションが浸透する昨今、消費者リテラシー向上の観点からも、改めてアドバイザリースタッフが果たす役割は大きなものになっている。
■「機能性表示食品制度」、「かかりつけ薬剤師制度」追い風に
アドバイザリースタッフは、食品成分の機能や活用方法に関する適切な情報を提供する役割を担う。厚生労働省が「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方」を2000年に通知して以降、各団体が資格を創設し、食品成分の機能性、活用方法に関して適切な情報を提供できる人材の育成を始めた。しかし制度開始十数年が経過しても社会的地位が不明瞭でスキルが十分に発揮できる場がないことが問題視されてきた。
こうした状況を一変させたのが、「かかりつけ薬剤師制度」および「機能性表示食品制度」だ。店頭やコールセンターなどでは、機能性表示食品、サプリの違いや、有効性、安全性、相互作用などに関する正しい情報を提供するための人材育成が急務となっている。機能性表示食品は間もなく2,300品目超えとなり、上市アイテム数も増えた。異業種からの新規参入や販路の拡大による異業態での展開などもあって、より専門的な人材を求める企業は多い。地域に密着する“かかりつけ薬局”では、調剤機能に加え、OTC医薬品やサプリメント、健康食品など様々な商品を取扱い、店頭でのカウンセリング販売を行っている。
このため、医薬品との飲み合わせなどの相談件数が増加傾向にあり、店頭ではサプリメントの知識も要求される状況で「多くの知識を身につけて、活躍の場を広げたい」と、自ら積極的にレベルアップを目指す薬剤師も増えている。
本記事の続きは「健康産業新聞1685号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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