日本の有機認証機関で認証を取得した食品が、台湾でも「有機」と表示できる新たな仕組みが整った。欧州に次いで5ヵ国目。台湾への輸出拡大に商機が訪れている。国内市場では地球環境や人、社会、地域に配慮した「エシカル消費」がじわり浸透。途上国支援を目的としたフェアトレードやレイズトレード、環境配慮の視点で世界的注目を集めるプラントべースフード(植物性食品)の商品化も本格化している。
■「有機同等性」を相互承認 日本と台湾で2月から
日本と台湾の有機農産物等に「有機」等と表示して相互に輸出入することが可能になった。日本と台湾が「有機食品の同等性」を相互承認したもの。2 月1 日以降、日本の事業者が台湾に輸出する際は、有機JAS法の認証のみで有機表示が可能に。これまで必要だった有機JAS以外の認証取得におけるコスト負担は生じない。今後は台湾でのビジネスチャンスが一気に広がりそうだ。
今まで日本は、EU、スイス、米国、カナダとの間で相互承認を行ってきた。今回輸出入を開始した台湾が加わり、有機認証制度の相互承認は5ヵ国目となる。農林水産省では台湾との輸出入開始に伴い、有機JAS制度に基づいた輸出の対象範囲と生産基準を定めている。対象範囲は、日本国内で生産・加工された有機農産物および有機農産物加工品。転換期間中の有機農産物および有機農産物加工品は対象外とした。
■オーガニックトレンド、「脱プラスチック」「プラントベース」がラインクイン
オーガニック情報専門サイト「オーガニックプレス」は昨年末、2019年に話題になった商品やサービス、キーワードをラインキング形式でまとめた“オーガニック番付2019”を発表。第1 位に「脱プラスチック」、第2 位に「バルクコーナー」、第3 位に「代替肉/培養肉」を選出した。
同サイトによると、海洋汚染や環境問題の取り組みに関心が高まっていると分析。世界的に問題視される“マイクロプラスチック問題”といった環境対策への取り組みに話題が集まった。この世界的潮流は国内にも波及し、環境を配慮したパッケージの工夫など、国内でも様々な取り組みが始まっている。第2 位の「バルクコーナー」は、“プラスチックごみゼロへの一歩”としてランクイン。国内ではレジ袋の有料化やストロー提供の廃止などのプラスチック使用量削減のほか、梱包の無駄や欲しい量だけ購入できる“量り売り”といった取り組みも。こうした動きは「日本の消費者の意識や行動変化につながっていく」としている。第3 位の「代替肉/培養肉」は、海外トレンドとして注目を集め、国内でも近い将来話題になると予測。第9 位の「フレキシタリアン」、第10位の「プラントベース」といった用語も、関連キーワードとしてランクインした。サスティナビリティに主眼を置く取り組みは、環境配慮に対する消費者意識の高まりと共に今後も加速していくものとみられる。
本記事の続きは「健康産業新聞1691号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら
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