日本ゼラチン・コラーゲン工業組合は5月18日、ゼラチン・コラーゲンペプチドの販売量調査を公表、コロナ禍の影響を受けつつも、2019年度のコラーゲンペプチド販売量は前年度比1.5%増の5,900t超で、過去最高を更新した。このうち「食用」は5,000tを突破。14年度から約1,200t増えた。一方で原料価格は上昇、さらに海外サプライヤーの相次ぐ参入で、国内市場の競争は激化している。
■ゼラチンは横ばいの1万6,567t
調査は、同工業組合に加盟している14社を対象に実施したもので、2019年度のコラーゲンペプチドの販売量は、5,924tと過去最高を更新した。用途別では、食用が5,072t(前年4,962t)で2.2%増。医薬用は77t(同84t)で8.3%減と減少に転じた。輸出についても740t(同760t)で2.6%減と2 年連続で減少となった。
同工業組合では「食用が微増となったが、数字は期待したほどではなく、新型コロナ問題の影響も考えられる」と分析している。一方、ゼラチンの販売量については、0.2%減の1 万6,567tに。医薬用と輸出が微増となったが、食用では微減となった。「食用は、今まで少しずつ伸びていたが、新型コロナ問題との兼ね合いもあり、思ったほど伸びず微減となった」としている。
■一次原料高騰、海外企業参入で競争激化
コラーゲンペプチドは、ここ数年国内のみならず、中国をはじめとしたアジア圏、さらには北米でも需要が急伸している。なかでもフィッシュコラーゲンの人気は高く、世界的な超過需要から一次原料となる淡水魚の鱗や皮の原料不足、価格急騰が深刻な状況に陥っていた。こうした背景から、同組合の販売量は思うほど伸びていない印象だ。また、過熱するコラーゲン競争に海外ゼラチンメーカーが近年相次いで国内市場への参入を本格化させているのも要因の一つ。仏ルスロや、伊イタルゼラチン、独ジェリータが、品質面等を日本規格に合わせ提案を進めており、国内大手ニッピ、新田ゼラチンを含め競争が激化している。
このほか、昨年末に発生した新型コロナウイルスの影響も少なくなく、輸出入の遅延やストップ、さらには需要のトーンダウンなども、影響の一因になっているとみられる。一方で明るい兆しも。原料サプライヤーへの聞き取りでは、一次原料について「一時期のような玉不足が解消の方向に向かっている」といい、コロナの影響はあるものの中期的視点では、「一次原料が確保しやすくなったことで、これまで新規案件に対応できなかった点などが改善される見通し」という。
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