吸収性向上＝体感性アップ」を実現する素材・技術への注目が高まっている。“機能性素材のための機能性素材”として、ベースビタミン商品はもとより、体感性・即効性がヒットの決め手となる商品（冷え対策・関節炎対応・男性向けなど）での採用が進む。受託製造企業では、ナノ（リポソーム）化、微粒子化、自己乳化など、差別化技術で“吸収性向上”を付与したＯＥＭ／ＯＤＭ供給を提案している。「“お試し一週間商品”“トライアル商品”でどれだけ体感・即効性が得られるか。それがリピーター獲得の生命線」（某大手通販）とする声があるように、吸収性向上を介した体感・即効アップは、サプリメント開発に欠かせないキーワードだ。
■ 吸収・体感・即効商品開発に欠かせないテーマ
「効率的な吸収による“体感性・即効性向上”」にスポットを当てた処方開発が活発化している。実際、「お試し一週間の期間が勝負。体感・即効性の高さがリピーター獲得の生命線」（大手通販企業）、「機能性表示食品の登場で、これまで以上に、一般消費者から効果が求められている。全てが即効性を求められる訳ではないが、体感性の向上は商品開発の最大のテーマ」（受託製造企業）との声も。大手フィットネスの開発担当者は、「ホットヨガのプログラムの前にサプリメントのサンプルを配布している。
例えば発汗を高めるサプリメント、体感があれば、プロショップで購入する確率は30％を超える」としている。吸収性向上素材・技術は、ジャンルを問わず、さまざまな商品への応用が可能なことから、ビタミン・ミネラル補給を訴求するベーシックサプリメントから女性向け（冷え性・美容）、男性向け（男性機能向上、育毛）、アスリート向け（代謝・発汗促進、疲労回復、関節炎対応）まで、活躍フィールドは急速に広がっている。有効成分の少量化にも繋がるため、コストメリットの面も評価されているようだ。
■ 機能性素材のための機能性素材 黒コショウ抽出物に引き合い
現在市場で提案されている吸収性向上素材は、「汎用型」「特化型」「個別型」に大別される。
「汎用型」では、黒胡椒抽出物を筆頭に、高麗人参、L－シトルリンなどの血流改善素材などがある。黒胡椒抽出物については、㈱サビンサジャパンコーポレーションが、機能性成分の生体利用効率を高める特許素材『バイオペリン®』を提案。20年以上にわたる販売実績を背景に、「体感面の向上や処方のコンパクト化」が評価され、最近では大手DgSのPB品にも採用されている。「ロゴマークを記載する製品も増えている」という。
高麗人参やL－シトルリンなどの血流改善素材は、「代謝向上（発汗）」をコンセプトに、フィットネスクラブのPB商品に採用されるほか、ダイエットや男性向け商品の“サプリ力”強化に欠かせない素材となっている。
「特化型」は、ビタミン・ミネラルを中心に特定成分の吸収性を向上する素材。明治フードマテリアが提案、カルシウムの吸収性率向上機能を有する「CPP」など。 「個別型」は、独自の抽出法や乳化・発酵技術などを活用し、素材自体の吸収性を高めたもの。高吸収性クルクミノイド、発酵高麗人参や、生体内利用率の向上を目的に設計されたCoQ10などがあり、各社では、ハイグレード原料として提案している。
サプライヤーからは、「単価の高い素材との融合に商機がある。エビデンスを蓄積していきたい」「アップトレンド素材との相乗効果に関する研究データを蓄積したことが奏功している」「従来は、リニューアル時の採用が大半だったが、素材の認知が拡大し、近年では、新製品への採用も目立つ」などとコメント。メイン素材の少量化（粒数の少量化）にも繋がることから、クロレラやグルコサミンなど、1 日目安摂取量が比較的多い素材への応用研究も進んでいるようだ。
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