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エナジードリンク、“ 30~40代”に照準 新市場創出へ(特集/エナジー素材)

エナジードリンク市場が大きく拡大している。富士経済が発表した2019年度のエナジードリンク市場規模(見込み)は800億円。2016年の500 億円から60%増で推移した。国産ブランドの台頭ほか、新たな購入者層開拓が市場拡大を後押ししている。近年では「ゼロカロリー・ゼロシュガー」、「コラボ商品」、「フルーティー感あるフレーバー」など、新たな購入層獲得に向けた商品開発も加速している。サプライヤ―サイドでは、エナジー商品の原料となるBCAA やアルギニンといった各種アミノ酸の提案を活発化。今後の需要増を睨み、汎用性を高めた原料や機能性を向上させたプレミックス原料の提案を強化している。

ゼロカロリー、コラボ、新フレーバー 30~40代の新たな購入層開拓へ

国内におけるエナジードリンク市場は、2006年に日本上陸を果たした『レッドブル』などの海外ブランドを中心に市場を形成してきた。

体感性の高さやスタイリッシュな容器などのビジュアル面が若年層に支持され、2019年の市場規模は800億円に。10年前の約100億円から約8倍に拡大した。

各メーカーによる様々なプロモーション活動が市場拡大を後押ししている。

アサヒ飲料㈱は、「モンスターエナジー」をCVSや量販店を中心に展開している。マーケティング活動では、エクストリームスポーツや音楽イベント、ゲームイベントへの協賛や全国各地でのサンプリング活動を展開。ブランド認知度の拡大に努めている。

同社によると、「10~20代の若年層がボリュームゾーンだが、近年は“ゼロカロリー”、“ゼロシュガー”を訴求する新商品で30~40代の獲得にも注力している」と話す。

新たな購入層を取り込む流れは、コーヒーブランドとのコラボでもみられはじめている。

サントリー食品インターナショナル㈱は3 月、缶コーヒーブランド「BOSS」からエナジードリンク『サントリーアイアンボス』を発売した。同社によると、「メイン購入層は30~40代男性。栄養ドリンク購入層からの流入もみられる」という。

開発の経緯について、「エナジードリンク市場はストレス社会を背景に伸長している」としたうえで、「既存のエナジードリンクの主な購入層は若年層が中心。働き盛りの30~40代にはフィットしていない部分がある。この世代で認知度の高い“BOSSブランド”から商品化することで需要喚起につなげる狙いがあった」と話す。

購入層の裾野は女性層にも広がっているようだ。

ナチュラルローソンの売れ筋調査によると、『レッドブル』(20代女性)、『レッドブル・サマーエディション』(30代女性)、『ライジン』(40代女性)が上位にランクイン。エナジードリンク商材の傾向について、「年代ごとに嗜好の変化がある」と指摘する。

昨今ではコンビニやドラッグストアのPB商品も話題に。

コンビニエンスストアのセイコーマートを展開する㈱セコマグループは7月、エナジードリンク『Secoma VERSUS(バーサス)』を発売した。

開発でこだわった点について、同社では、「満足できる十分なスペック(アルギニン123mg/100mL、カフェイン40mg/100mL)でありながら、250mLで本体価格120円という手頃な価格としたこと」と説明。さらに「北海道で馴染みのあるガラナエキス(20mgw00mL)を成分にプラスした」という。

購入層は「男性7 割、女性3 割」で、「30代~50代での購入が多く、特に40代の購入率が最も高い」としている。

「エナジーバー」で差別化パフォーマンス向上、疲労回復など訴求

エナジー系商品では、エナジードリンクに続き、エナジーバーもアウトドアユーザーを中心に人気が高まっている。

登山やランニング人口の増加からスポーツニュートリションの考え方も浸透。パフォーマンスの向上や疲労回復を目的に、運動前や運動中に手軽に摂取できる食品形態としてバータイプの商品が選ばれている。

エナジーバーに関しては、アミノ酸を配合したアスリート向け商材のほか、食物繊維を豊富に配合したダイエット商材、低糖質などをテーマに差別化を図った商品開発が進んでいる。

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