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日本アムウェイに初の行政処分 マッチングアプリの相談件数が増加

コロナの行動制限も緩和され、徐々に回復の兆しが見え始めるMLM業界。大規模イベントも再開され、今年上期は増収を達成した企業も少なくない。一方で先月14日、業界最大手の日本アムウェイが不実告知による特商法違反で、6ヵ月の業務停止命令を受けた。同社に限らず、マッチングアプリを用いた悪質な勧誘行為が問題視されており、回復ムードが漂うMLM業界に水を差す事態となっている。

コロナ禍で対面での営業活動が大きく制限されたMLM業界。健食に絞った21年度の市場規模は、前年比9%減の2,910億円と縮小が続いている。

ただ今年に入り、コロナの行動制限が緩和され、会員向けの大規模な表彰イベント、報酬としての海外旅行等を再開するケースが増加。上半期は増収を達成する企業も多く、22年度の市場規模は3,000億円を回復することが見込まれる。

一方、回復ムードが漂い始めたMLM市場に水を差す事案も。消費者庁は10月14日、日本アムウェイに対して、6ヵ月間の取引停止を命令。同社の一部会員が社名、連載販売取引という目的を伝えずに新規会員を勧誘したことが特商法違反に当たると判断した。

同庁によると、全国の消費者センターへのアムウェイ関連の相談件数は、20年度257件、21年度270件、22年度は109件(今年9月時点)。

業界関係者からは、「1企業の相談件数としては、MLMという業態を加味しても異常な多さ」「昨年はマッチングアプリを悪用した事例で逮捕例もあり、行政も堪忍袋の緒が切れたのでは」などの声が聞かれた。

年代別では、20歳代45.1%、30歳代12%、40歳代8.1%となっており、20歳代の相談件数が圧倒的に多い。同庁は「マッチングアプリやSNSを通じた勧誘行為に対する苦情が増えている」としている。コロナ禍で出会いの場が減った事もあり、マッチングアプリに登録する若者は非常に多い。

MMD研究所の調査では、恋人探しをしたことがある男女約3,300人のうち、マッチングアプリの認知度は59.0%。そのうち利用経験者は78.2%に達している。また経験したトラブルとして、「顔写真見た目の詐称」(26.5%)、「すっぽかし/ドタキャン」(22.9%)に次いで、「ネットワークビジネスへの勧誘目的だった」(18.8%)がランクインしている。

多くのマッチングアプリでは、登録時に顔写真付きの身分証明書の提出が求められるが、その時点でビジネスや勧誘目的のユーザーであるか、判断することは難しいの実情。サービス運営企業への聞き取りでは…

続きは、本紙11月2日発行号(1751号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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