新年おめでとうございます。
本紙の新年号でもお伝えしている通り、昨年の健康食品産業は6%増の1兆1800億円へ回復の第一歩を踏み出した。ところが、総務省の家計調査ではこれを上回る数字(詳細健康産業新聞12日付)が予想されており、本格的なサプリメントの時代に突入したといえそうだ。しかし国内だけに目を向けてはいられない。本紙では「為替」と「高騰」がキーワードであると書いたが、国際化の中で、これらのキーワードが重要になりそうだ。
昨年末にわれわれUBMグループのアジア地区の会議が香港で行われ、UBMの株価が極めて堅調であることの背景が紹介された。アジアにおける日本法人のポジションは、香港、中国(香港を除く)、日本、インド、東南アジアなどの順でランキングされているが、‘成長’という言葉から‘現状維持’に宗旨替えした我々には、ショッキングな数字が並んだ。日本を除くほぼすべてのエリアで、売上げの伸びは3割ほどあり、利益もスタッフの増加も著しい。香港や中国にはGDPどころではない何倍もの水(健康食品だけではないが)があけられ、ビジネスが最近スタートしたインドにも追い上げられている。確かに健康博覧会の10倍の規模といわれるビューティー関連の展示会「コスモプロフ」(香港)でも開催前に多くのキャンセル待ちが出るほどのブースの売れ行きであった。当然海外市場は重要なターゲットで、3月の健康博覧会でも多くの海外進出セミナーやパーティーが予定されているのだが。
しかし、その前に立ちはだかるのが「高騰」と「為替」のタームである。原料相場が急騰している。天候不順や、人件費、輸送コストの急騰などもあり、また、各国での需要拡大も品不足に一因している。この傾向は今後も持続するわけで、いつまでもデフレシフトではいられない。そこに、浮上しているのが「為替」問題である。米国の景気回復が進み、ドル高・円安が加速すれば、「高騰」問題が一挙に露呈する。海外市場をと気楽にはいえない状況も出てくる。原料メーカーには、「為替」「高騰」をキーワードにピンチと新しいビジネスチャンスが同時に生まれるかもしれない。難しい時代を迎えている。
今年はこうした議論をあちこちで行い、多くの意見も伺いたい。とりあえずは、沖縄(健康産業協議会主催)で27日に「2011健康食品産業の展望」をテーマにお話しする。3月には健康博覧会や東京ヘルスコレクションで、当社の記者が「日本市場参入セミナー」(美容編、健康編)を行う。また6月に上海で行われるCpHi、Fiなどと併催される「栄養補助食品展」で我が国の市場動向を紹介し、中国ビジネスを促進させるきっかけにしたい。