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【慢性炎症対策】老化と切り離せない重要なテーマ

 近年の研究でメタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病や、認知症などの疾患に共通する基盤病態として慢性的な炎症が発生していることが知られるようになった。慢性炎症は全身のあらゆる部位や臓器で長期間にわたって“くすぶり” 続け、痛みなど自覚症状がないまま重篤疾患の発症や促進に影響する。「疲れやすい」といった日々の疲労の蓄積も慢性炎症と深い関わりがあると指摘されており、最近ではメンタルや女性特有の健康課題の領域にも影響を及ぼすといわれている。健康寿命延伸の実現に向け、慢性炎症の対策は重要なファクターとなっている。

慢性炎症へのアプローチが健康寿命の切り札に

「疲れやすい」「やる気が起こらない」、こうした状態に慢性炎症が関与している可能性が分かってきた。ストレス社会といわれる現代において、疾患ともとれないこのような症状だが、アフターコロナに入り、心身の不調として同様の状況に陥る人は増加傾向にある。これらは、脳内で起きた炎症によって脳機能が低下し、認知機能低下や抑うつなどの神経症状を引き起こすという。ストレスを受けると生体内で炎症性サイトカインを誘導することがわかっており、慢性炎症性疾患の患者では、うつ病の併発率が高いことが報告されている。慢性炎症とうつ病の因果関係については解明されていないものの、こうした状況が進展すると、正常な社会生活が送れなくなる慢性疲労症候群を引き起こすともいわれている。

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