国内で「抗糖化」の関連商品が登場してから10年以上が経過し、一定の認知を獲得した糖化対策。大手では第一三共ヘルスケアダイレクトが販売する「リゲイン トリプルフォース」(指定医薬部外品)など、糖化に着目した商品開発も進む。その一方で日本以上に糖化に感心を寄せているのが海外。ここ数年は中国や台湾をはじめとしたアジア圏で抗糖化商品のニーズが広がりをみせている。先日開催された食品開発展では、台湾、韓国、中国からの来場者がブースに押しかけ、熱心に原料の話を聞いていたという。海外向けに展開するメーカーによると、「日本では薬機法の観点から抗糖化を伝えるのが難しいが、中国ではもう少し踏み込んだ説明ができるので消費者が理解しやすい」とし、認知が広がる要因を語った。『桜の花エキス』を販売するオリザ油化では、タイ FDA の NovelFood の承認を受けたことで輸出を本格化。原料の安全性を証明できたことで近隣諸国からも関心が寄せられているという。今後、アジア圏への展開を視野に入れた動きがさらに活発しそうだ。
糖化へのアプローチ、老化対策の大本命
糖化は、タンパクと糖が結合して起きるメイラード反応。糖化によって生成されるのが終末糖化産物(AGEs:AdvancedGlycation End Products) と 呼 ば れ る 数十種類の化合物群で、AGEsには、蛍光性・褐色変化・タンパク同士の架橋形成などの特性があり、この特性がさまざまな病的老化を促進することがわかっている。AGEsは皮膚や血中、骨中、脳、毛髪にも影響を及ぼし、動脈硬化や糖尿病性血管障害、骨粗鬆症、網膜症・腎症などの糖尿病合併症リスクの増加にもつながるとして、生活習慣病対策や健康長寿実現の観点からも糖化対策は非常に重要なポジションに位置付けられている。また、AGEsはアルコールや脂質代謝物のアルデヒドからも生成されるほか、高温調理した食品中にも含まれており、食事性による糖化ストレスリスクも高い。睡眠不足によるAGEsの蓄積増加も報告もされており、昨年からのコロナ禍での糖化リスク増大はこうした要素が原因と指摘されている。
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