日本からは80社を超える企業が出展。JETROを通じた「ジャパンパビリオン」には30社以上が参加した。化粧品やブラシ、サプリメントなどが展示された。JETRO香港事務所所長の杉山玲子氏は「ここ数年、香港への進出に関する問い合わせは多い」とし、「コスモプロフは香港での展開の足掛かりになるイベントの一つ」と話した。
パビリオン出展のコスメディ製薬は、“貼らないマイクロニードル”をテーマに開発した新製品を展示。パッチタイプのマイクロニードルを手掛ける同社では、新たにクリームや美容液の中に独自のニードルを配合した医薬部外品の新製品「KYO-YAKU-SHO(京薬粧)」を展示した。
同社戦略営業部部長の福元芳史氏は「特許製法によって製造したタウリン結晶ニードルが肌の角質層から刺さり、肌で溶けることで有効成分が浸透する」と説明。近年、貼らないタイプのニードル製品が流通しているが、福元氏は「そうしたタイプの商品は塗布した後、ニードルが肌から自然に出ると謳っているが、当社ではこの考えを覆し、世界で初めてニードル自体を完全に吸収できるように設計した」とし話す。塗布してもすぐに吸収するため痛みもなく、ニードルが肌に残る心配もないという。タウリン結晶ニードルは空洞になっており、中にヒアルロン酸やプラセンタといった美容成分を配合することが可能だ。自社商品として展開をスタートし、将来的にはOEMへの対応も視野に入れる。また、ブースではパッチ製品製造で培った技術を応用した貼るタイプの経皮吸収型サプリメント「HARU LIFE」シリーズも展示した。テーマ別にタウリンや高麗人参、ウコンやオルニチンなどの成分を配合した製品を揃えており、「パッチを貼ってから約6時間で経皮吸収される。体感性もよく、貼るだけの手軽さが評価されている」とした。
愛知県を中心にエステサロンを運営するLuLu groupの自社ブランドとなるEROGE(EROGE JAPAN)は、幹細胞や卵殻膜を配合した美容液を展示。肌を若返らせる処方が肌荒れ状態を改善し、短期間で効果的に体感できるという。また、唇へのダメージを軽減するティントリップ製品も展示した。代表の橘香緒里氏は「ティントリップは染料が入っているため、一般的に唇が荒れやすいが、ヒアルロン酸やペプチドなどを配合したことでダメージから保護する」と説明した。
機能性化粧品や健康食品、サプリメントの製造販売を行うファインは、オーガニック&ナチュラルフードゾーンに出展。化粧品「AISHA」シリーズの展示に加え、同社が得意とする健康食品を数多く展示した。国際営業部長の熊谷豊氏は、「コラーゲン製品がやはり人気」とし、粉末タイプやゼリーも人気だという。
富山の製薬メーカー、水橋保寿堂製薬は単独4小間で出展。日本で大ヒットしたまつ毛美容液「EMAKID(エマーキット)」や、400万本以上を売り上げた「エマルジョンリムーバーを展示した。海外での展開も進めており、ブースで幅広い国からOEMの引き合いがあった。また、「本気酵素」や「本気水素」などの健康食品も展示したほか、もずくを配合した化粧品「もずの魔法」シリーズも紹介した。
プロラボホールディングスは、同社の顔ともいえる酵素ドリンク「ハーブザイム」シリーズに加え、プロテイン製品「プロテイン ナチュラ グランプロ」をアピールした。営業本部事業部長の山浦健太氏は「プロテインはアジアでも人気。植物プロテインを採用しているため、ビーガン思考の方からも好評」と話す。同社ではこれまでに15カ国以上に商品を展開しているが、「海外では抹茶味が人気。そのため海外への展開については、日本と異なる処方で商品を開発している」という。「当社では植物由来の原料にこだわっており、ほとんどの製品が植物成分を配合している。東南アジアでは糖尿病になる方が多く、低糖質や砂糖の種類にもこだわっているため、平均年齢が若いこうした国々に当社製品がマッチする」と分析。「今後は東南アジアに加え、中東でも展開を加速させたい」と意欲をみせる。このほかブースではNMNのサプリメントが人気で、さらに新製品となるデアザフラビンにも大きな注目が集まった。
愛しとーとは、スキンケア製品の「UMIKARA」シリーズを展示。来場者から関心が高かったのがコラーゲンなどの健康食品だ。特にゼリータイプの商品が人気で、同社仲井順一氏は「ゼリー商品は当社の看板ともいえる。自社工場で製造しており、長年積み重ねてきたノウハウをいかした味には自信がある」と説明。「商品を扱いたいと希望する海外メーカーが毎日熱心にブースを訪れている」とし、手応えを掴んだ。