ジャパネットたかた・高田社長「夢を持ち続けよう」
(公社)日本通信販売協会(JADMA、東京都中央区、03-5651-1155)の設立30周年記念講演会が10月11日に都内で開催され、会員企業から540人が集まった。
講演会では㈱ジャパネットたかた代表取締役の高田明氏が講演。
「消費者の信頼を得ていく取り組みは1 社だけではできない」と、今後のJADMAの活動に期待を寄せた。パネルディスカッションでは㈱カタログハウス代表取締役社長の斎藤駿氏も登壇。
「現代の価格訴求は需要のあった高度成長時代のそれとは意味合いが違う」とし「このままでは通販業界に未来はない」と警鐘を鳴らした。
冒頭、現会長の㈱QVCジャパン代表取締役社長・佐々木迅氏が登壇。
「講演を通じ、30周年の節目に通信販売を振り返って、これからの通販のあるべき姿を皆さんと一緒に考えていきたい」と挨拶した。
記念講演では㈱ジャパネットたかた代表取締役の高田明氏が「私が思う通信販売の未来とは」と題して講演した。
高田社長は「タイトルの『私の思う通信販売の未来とは』、はっきり言って、わかりません。でもやはり大事にしたいものがある、という話をしたい」と、自身が企業経営に重要と考えているポイントを2点紹介した。
ひとつは、「競争より『共存・共栄』。消費者からの通販に対する信頼をどう作っていけるかが大事。それは1社ではできない」と、通販業全体で取り組んでいくことが大事だと訴えた。
二つ目は、「競争は自分の心の中にだけある」と述べ「人との競争の中では、継続的な成長を作っていくことはできないと私は思う。目の前にあること一つ一つに取り組んでいくことこそが大事」と持論を展開した。
ジャパネットたかたの2 期連続の減収減益については、「今期、過去最高益の136億円を達成できなければ社長を辞めると宣言した。過去最高益の時はエコポイント制度でテレビが1 日1 万台、ひと月に30万台売れていた。それだけで1カ月200億~250億円の売り上げだが、それが今は5 億も売れていない。だが発想を変え、幅広い家電に目を向ければやりたいことはたくさんあった」と説明。
利益は7 月の時点で昨年を超え、9 月時点で100億円を超えていることも紹介し、「ゲーテに『人は自分の思った通りの自分になっていく』という言葉がある。「皆さん、死ぬまで夢を持ち続けましょう。できると自分が信じたら、必ず達成します。人間は、自分が思った通りの自分になるんです」と強く呼びかけた。