制度施行から1年が経過した機能性表示食品制度。届出の迅速化・効率化を目的に電子化がスタートした。これまで郵送する必要があった届出がオンラインで完結できるほか、届出情報の詳細検索が可能となり、軌道に乗れば効率化が期待できるが、事業者からは運用に関する不満の声が多数挙がっている。
このほどスタートした、機能性表示食品制度のデータベース化。これまで郵送で行われていた届出がオンラインで対応可能となった。届出を行う場合はデータベースにログインし、初回に基本情報を登録した後、各様式を作成。電子化による受理までの期間短縮が期待されている。
また、消費者はキーワード検索によって詳細な情報を知ることができる。効率化を図った今回の改正だが、事業者からは不満の声が相次いでいる。
そもそも今回の改正については、昨年から議論が進められ、今年 1 月27日に消費者庁が開いた説明会の中で発表。4 月からの運用開始に対し、3 月30日時点では、まだ改正のガイドラインの公表はされていなかった。事業者からは、「情報が出るのが遅すぎる」、「せめて1ヵ月前に知らせてほしい」、「しばらく混乱するのでは」、「事業者や業界とタッグを組んで新制度を構築していく姿勢がない」といった不安や不満の声が後を絶たない。
DB化については、届出日が 3 月31日までのものは消費者庁が移行を行う。ただし、既に届出を終えているが、不備の資料等があり、届出日が 4 月 1 日以降になるものは事業者が行うことになる。現在届出中の企業や届出に向けた準備を行っている企業にとっては、消費者庁の対応に「現在届出中だが、事前に何の通達もなく、直前に言われても対応に困る」、「改正により、販社のスケジュールが狂う可能性がある。せっかく動き出したのに困る」、「とにかく情報が出るのが遅すぎる。憶測だけが飛び交っていた」といった困惑の声が上がっている。
また、受理済み企業も含め、届出を行う全事業者は、機能性表示食品制度届出DBの利用に必要なID等を取得するため、届出者の基本情報に関する届出を行う必要がある。基本情報の届出はオンラインで行うほか、提出した基本情報届出書の郵送と、消費者庁による照合が必須に。効率化を図った改正のはずだったが、「運用開始後は行政側も確認作業が増えるため、また受理のスピードが遅くなるのでは」と消費者庁の効率ダウンを不安視する見方も出てきている。
一方、「運用が円滑に回れば、郵送する必要がなくなるので、地方に拠点を置く事業者にとってはメリット」など、制度の効率化に期待する事業者も。そもそも事業者、消費者、消費者庁のすべてにおける効率化を図った今回の改正。業界への情報発信が遅くなり、混乱を招いている。
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