国が食品の機能性を許可する世界初の制度として1991年にスタートした特保。四半世紀の歴史の中で、時折一部の学者などから批判を浴びてきたが、今度は週刊新潮が「トクホの大嘘」と題する特集を2号にわたり掲載、「国とメーカーによる壮大な消費詐欺」とまで言い切った。しかし名指しで批判された企業の多くは冷静な対応。制度を所管する消費者庁でも、特段の対応は行わないとしている。
特集では難消化性デキストリンを「効き目ゼロ」などとこき下ろした。ただその他の特保では、批判の矛先が人工甘味料に向いたり、「確実に効果があるとは言い切れない」ことを論拠に批判していたりするほか、こうした特集で多い「海外では危険!」などと危機感を煽る部分もみられる。
なお週刊新潮編集部に取材したところ、「記事に書かれていることが全てです」との対応だった。
難消化性デキストリンの効果を否定されたことについて松谷化学工業は、「信頼性には何ら問題ないものと考えている」と反論している。
国に対する批判について、特保を所管する消費者庁では、現時点では特段の対応は考えておらず、特保は消費者委員会と食品安全委員会が審査をしており、「引き続き科学的根拠に基づき適切に対応していく」と話している。
消費者委員会の河上正二委員長は 3 月の定例会見で、「様々な検討、批判をいただくのは結構なこと」と指摘。「業界は緊張感を持って商品を市場に送り出してほしい」と述べ、宣伝広告の適正化に向けて「消費者庁含め一層きちんとやっていただきたい」との姿勢を示した。一方で今後の審査については、「直接に大きな影響があるとは思われない」としている。
特保に詳しく、消費者委員会の特保調査会委員でもある国立健康・栄養研究所の梅垣敬三氏は、「過大表現があることが問題」と指摘。「あくまでも食品なので劇的な効果はないのは当然」とし、「特保は表示制度であり、消費者が選ぶための指標になるだけの話。『これさえ食べれば』という気持ちを持たせてはいけないが、『どう使うか』を考えれば、非常にいいもの」と話している。
特保については過去に何度も批判された経緯がある。数年前にも・・・
(詳しくは4/19発行・第1618号で)
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