「レジャー白書2017」で、フィットネスクラブ市場が過去最高の4,480億円(前年2.1%アップ)と発表された。既存店、新規店ともに会員数は堅調に推移している。加えて、小規模業態の、サーキットジムやヨガスタジオ、ライザップを始めとするパーソナル型、エニタイムのような24時間型ジム、そして、マイクロジム(※1)、ブティックスタジオ(※2)などが、市場全体の活性化に貢献した格好だ。
そもそもフィットネスは、プール、マシンジム、スタジオを「三種の神器」と呼んだ時代を経て、2007年頃の、温浴、マッサージ、エステティック、ネイル、または飲食まで備えた複合施設時代を頂点に、規模のサイズダウン化に向かってきた。現在の姿は、景気の低迷や様々なニーズを受けて、「廉価、手軽」「専門、目的特化」の2極を目指した結果。これからも、志向やニーズの多様化が一層進むことは、白書の潜在需要調査でヨガ・ピラティスや、フィールドアスレチック、カヌーといったアウトドアの多彩な種目が上位に並んだことからも明らかだ。各種目の専用ウエアやシューズなどのスポーツアパレルや用品の市場規模も拡大している。週一のランニング人口460万人(※3)、ヨガ人口650万人(※4)という新たな健康づくりの時代、関連市場だけでなく、食品、化粧品、旅といった他の業態も、変化するスポーツ市場に大きな期待を寄せている。
※1 パーソナルトレーニングなどの小規模業態
※2 価値観共有型のフィットネス小規模業態。暗闇バイクエクササイズなどがある。
※3 笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書2016年データより
※4. レジャー白書2017
関連記事 月刊ダイエット&ビューティー