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【連載/「機能性表示食品」受理企業の戦略】『おいしい腸活 流々茶』 サントリー食品インターナショナル(株)

健康産業新聞1643_サントリー

サントリー食品インターナショナル(株)は、同社飲料では初となる機能性表示食品『おいしい腸活 流々茶』の販売を開始した。機能表示を全面に打ち出さない戦略で女性層に提案を進めていく。同社・ブランド開発第一事業部課長の多田誠司氏に話を聞いた。

機能表示は控え目、〝腸活?でPR

―― 開発経緯は
製品開発については、弊社も早くから着手していましたが、受理されたのは昨夏です。商品名、味作り、機能表
示の表現など、より商品力を高めることに時間を費やしたので。もっと早くしたかったのが正直なところです。

機能性関与成分は、水溶性食物繊維の一種であるイヌリン。複数あった候補素材からイヌリンを選んだ理由は、機能性に関する学術論文が多数あったことに加え、食経験も豊富だったことが大きいです。表示内容は、「腸の動き(ぜん動運動)を活発にする成分であるイヌリンは、お通じの習慣を改善することが報告されています。本品はお腹の調子をすっきり整えたい方に適した飲料です」。

―― 製品開発でこだわった点は
特にこだわったのは「おいしさ」。毎日継続しても飲み飽きない味にすることが非常に重要です。イヌリンはほのかな甘みがあります。烏龍茶や緑茶、ミネラルウォーターなどと組み合せてみると、発酵度の高い烏龍茶がイヌリンとの相性が良く、弊社の烏龍茶ブランドを採用することに決めました。

商品パッケージのフロントフェイスに機能表示を記載してない点も特長です。20、30代女性をメインターゲット層に、人前でいつものお茶のように飲まれることを想定していたので、“お通じの習慣を改善する”とフロントフェイスに目立つように記載してしまうと、買いづらくなると考えました。前向きな健康習慣として捉えて頂くために商品名の“おいしい腸活”にメッセージを込めました。

健康産業新聞1643_サントリーおいしい腸活

―― 今後の販売戦略は
販売チャネルは、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど。男性バイヤーの多い業界ですが、女性スタッフからの評判が良く、採用の後押しになったケースも。4 月から販売を開始しており、想定通りの出荷量となっています。また、ほかの商品に比べて、SNSでの反応が多く、ソーシャルネットワークとの相性の良い商品でもあるようです。一方、腸活への関心は高まっていますが、“何をして良いのかわからない”といった女性は多いです。他社とコラボしたイベントなども検討していきたいです。

今後の商品ラインアップについては、トクホ飲料、機能性表示食品の飲料と、商品特性、開発スピード、消費者ニーズを踏まえ、個別ごとに判断していきます。“脱トクホ”ではありません。

本記事は「健康産業新聞 1643号」特集内に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50ページ)定期購読のお申し込みはこちら

 

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