政府は先月15日、「規制改革実施計画」を閣議決定、食薬区分の運用改善ならびに機能性表示食品制度の運用改善を求めた。
同計画は、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制改革の推進を目的に策定。昨年の計画では、機能性表示食品関連で「業界団体等との連携強化」など8項目が盛り込まれ、業界団体による届出事前チェックなどが実現している。
重点分野は、行政手続きコストの削減、農林、水産、保育・雇用、医療・介護、投資など。医療・介護分野では、「機能性表示食品制度の運用改善」として2項目を盛り込んだ。これは生鮮食品の活用を念頭に置いたもの。
生鮮食品の機能性表示に向けては、農業・食品産業技術総合研究機構が「ウンシュウミカンのβ-クリプトキサンチン」「ホウレン草のルテイン」などの研究レビューを作成し、公表している。計画では簡易に届出できるよう、当該レビューの改善・拡充に向けた計画表の作成を求めた。年内の措置を要望している。
食薬区分(昭和46年通知)の運用改善については、(1)食薬区分に係る考え方の明確化、(2)食薬区分に関する相談・申請についての体制整備―― の2点を盛り込んだ。
食薬区分は「医薬品リスト」と「非医薬品リスト」の2つがあり、前者に掲載された成分は機能性表示食品の機能性関与成分にできず、また従来から表示規制が行われている。計画では、この「医薬品リスト」収載成分を元から含む生鮮食品や、その成分本質を利用した加工品(サプリ含む)の医薬品該当性を「Q&Aにまとめて周知する」ことを厚生労働省に求めた。今年度中に措置されることになる。
本記事は「健康産業新聞 1647号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
<関連記事>
・「食薬区分」運用改善へ、γ-オリザノール等に期待 -規制改革推進会議が答申-
・食薬区分、運用改善へ前進厚労省、「条件の整理必要」
・機能性表示、「エキス」で溶出試験など規定 -消費者庁「機能性表示食品届出等に関するガイドライン」改正-