15年ぶり食品衛生法改正、HACCP・届出制など
18年上半期の行政関連2大トピックは、(1)機能性表示食品の届出ガイドライン改正(消費者庁)、(2)食品衛生法改正(厚生労働省)―― が挙げられる。どちらも業界に与える影響は極めて大きい。(1)では「エキス類」がどこまで制度の対象になるのか、(2)では新設される「営業届出制」の対象業種をどう設定するのか、不透明な部分が残る。
トピック(1)機能性表示食品の届出ガイドライン改正
・糖質・糖類を新たに追加
消費者庁は3月28日、「機能性表示食品制度の届出等に関するガイドライン」「機能性表示食品に関する質疑応答集」を改正した。食品表示企画課長の赤暢彦氏は5月24日に健康食品産業協議会が開催した講演会で、今回のガイドライン第3次改正では「広範にわたる重要な見直しを行った」ことに言及しており、制度は運用面で大きく変わることになった。
改正の柱は、(1)受理の遅滞など運用面の課題への対応、(2)対象成分の拡大、(3)情報提供――の3点だ。(1)では、約200項目ある届出資料の入力項目のうち60項目を削減。また、受理の迅速化につなげるため、非営利の事業者団体等による届出事前チェックのスキームを新たに導入した。ただ消費者庁ではこのチェックがあったからと言って「フリーパスというわけではない」としている。事前チェック事業を始めた日本健康・栄養食品協会でも、「届出資料の形式のみを確認するもので、消費者庁への届出が受理されることを保証するもの……
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トピック(2)食品衛生法改正
・HACCP、対象は「すべての食品等事業者」
今国会で成立した改正食品衛生法は、6月13日に公布された。改正は15年ぶり。昨年に行われた厚労省の懇談会では、プエラリア問題もあり、規制強化に向けた発言が相次いだが、健康食品対策は“注意が必要な成分”の健康被害情報の報告義務化などにとどまった。改正法は一部を除き、公布日から2年を超えない範囲において政令で定める日から施行する。
改正の要点は、(1)広域的な食中毒事案への対策強化、(2)HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化、(3)特別の注意を必要とする成分などを含む食品による健康被害情報の収集、(4)国際整合的な食品用器具、容器包装の衛生規制の整備、(5)営業許可制度の見直し、営業許可制度の創設、(6)食品リコール情報の報告制度の……
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