600億円市場を誇る道内バイオ産業。牽引する「機能性食品・化粧品」は、アジアを中心とした海外展開の拡大が奏功し、前年比7.9%増の285億円となった。また、「ヘルシーDo」の認定商品は、100品目を超えた。北海道バイオ工業会の小砂憲一会長(アミノアップ化学・代表取締役会長)に、道内バイオ産業の取り組みやヘルシーDoの現状などについて聞いた。
── 「北海道バイオ産業」の取り組みは
道内バイオ産業の連携促進や販路開拓等を目的に平成18年に「北海道バイオ工業会」を設立した。会員バイオ産業の平成28年度・売上高は638億円(前年度比8.1%増)。売上高が最も高い「機能性食品・化粧品」は、285億円(同比7.9%増)となった。平成29年度・売上高は現在集計中だが、前年比を上回る見込みだ。全体の底上げに寄与しているのが海外売上の増加。加盟企業の4 割から5 割近くが海外へ進出しており、中国、台湾、ベトナムなどアジア圏を中心に新たな販路開拓を進めている。ミャンマーでは特に北海道産を用いた化粧品が人気のようだ。
北海道ブランドが海外で徐々に浸透していることに手ごたえを感じている。加えて、有効性、安全性に関するこれまでのエビデンスの蓄積が評価されている。今後も、道経済産業局や大学、関連団体と一層の連携強化を図っていく。道内バイオ産業を北海道の新産業の柱にするためにも1,000億円市場に築き上げたい。
── 北海道に拠点を置く強みは
特色ある農産物、海産物が多数あり、高いブランド力を有すること。これらの未利用資源を活用し、付加価値商材を生み出し、国内外に安定供給できること。そして、全国の中でも食関連の研究施設が道各地に集積しており、付加価値商材をサポートする体制が充実していることが挙げられる。産学官による強固な連携が北海道の大きな強みになっている。
── 「ヘルシーDo」の広がりについて
運用5年の「ヘルシーDO」は、認定商品が100品目を超えた。目標の半分をようやく達したという感じ。サプリメント型、一般食品型とさまざまな剤型の認定商品が増え、サッポロドラッグストアや東急ハンズ・札幌店などでは「ヘルシーDo」の関連コーナーなどが設置され認知度も向上している。今後2~3年以内に認定商品が200品目に達成するという期待感を持っている。
北海道以外にも沖縄県、新潟県、四国などが地域性をいかした独自の認証マークをスタートさせている。業界、消費者に認知させていくには、ある程度時間を掛けることが必要になる。一気に花が咲くというものでなはない。北海道では沖縄県とコラボしたイベントなども行っている。引き続き、各県との連携も図り、課題点や改善策を共有し、認証マークの普及、認知向上につなげていきたい。
本記事は「健康産業新聞 1652号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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