健康や美への意識が高いニューヨーカーたちの間で、モーニング「コーヒー」に代わってモーニング「ボーンブロス」が流行っている。美肌作用をはじめ、腸の健康、自己免疫疾患の改善などが期待でき、健康効果の高い食品として注目を集めている。国内でも流行に敏感な消費者の間で取り上げられつつあり、第2のジュースクレンズとの呼び声も。飲む美容液とも称されるボーンブロスとは。
ボーンブロスはその名の通り「骨のブイヨン」を意味し、牛や豚、鶏の骨をじっくりと煮込んだ出汁スープをいう。米国で火付け役となったのが、ニューヨークにあるボーンブロス専門店「ブロド」。持ち帰り用コーヒーカップのようにボーンブロスを紙コップ容器で提供したことで気軽に飲めるスープとしてニューヨーカーの間で人気が出た。
手軽さもさることながら、一番の関心は栄養価が高く健康効果が期待できる点。骨を煮込んだスープは、豊富なアミノ酸に加え、ゼラチン、グルコサミンやコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ビタミン・ミネラル、カルシウムなどの栄養成分が含まれており、アンチエイジングフードとして注目を集めている。また、女優のシェイリーン・ウッドリーやグウィネス・バルトローをはじめ、元NBAのプロバスケットボール選手のコービー・ブライアントといったインフルエンサーが愛飲していることもブームを後押しした。
ボーンブロスの持つパワーに早くから注目し、食事療法の観点から解説したのが米国自然療法医のケリアン・ペトルッチ氏。著書「3週間で身体と心が劇的に変わる最強ボーンブロス食事術」では、栄養学・医学的な見地からボーンブロスを紹介。具体的には、美肌・美容作用、腸内環境の改善、抗炎症作用による各種疾患改善(糖尿病やがん、リウマチ、関節炎、アトピー、花粉症などの自己免疫疾患)、抗メタボなど、その効用は多岐にわたる。なかでも腸への働きに関しては、ボーンブロスに含まれるゼラチンが免疫機能を高め、リーキーガット症候群の症状を改善させるとの報告も。リーキーガット症候群は、腸内の慢性炎症によって粘膜に穴が空き、菌やタンパク質、ウイルスなどが血中に漏れ出す状態をいう。予備軍を含めると日本人の約7割が当てはまるともいわれており、腸の免疫機能異常によってあらゆる疾病リスクが高まると危惧されている。ボーンブロスを継続的に摂取することで腸内環境が良化し、リーキーガット症候群を改善するほか、消化吸収が高まるメリットもあり、日々の健康維持にも有効だという。
国内ではこのような健康効果が注目され、健康志向の高い消費者を中心にSNSなどで話題に。料理レシピサイトではボーンブロスの作り方が紹介されているほか、Amzonでは「Now Foods」など米国サプリメントブランドが展開しているボーンブロスの粉末品が数多く輸入販売されている。
国内では調味料メーカーがいち早くボーンブロスに着目し、商品化の動きも。外食産業ではモデルの道端アンジェリカがプロデュースするオーガニックカフェ「THE BOWL」でも提供されるなど、徐々に広がりを見せている。
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本記事は「健康産業新聞 1654号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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