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「香港のシルバー市場を狙え」-Think Global, Think HongKong 開催-

介護ビジネス分野に日本企業も参入のチャンス

香港貿易発展局の主催による「Think Global,Think HongKong」が1日、都内ホテルで開催され、香港で高齢化が深刻化、それに伴う対策市場のビジネスチャンスが拡大していることなどが紹介された。イベントにはパーティーを含めて計約2,900人が参加した。

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当日はメインシンポジウムと7つのテーマ別分科会が開かれた。「ヘルシーエイジング技術の最新動向」の分科会では、7人の演者が登壇し、日本と香港の共通課題である「高齢化」「人材不足」にフォーカスしたプレゼンテーションが行われた。

香港のパナソニック総代理店である信興集団の戦略ディレクター・藤本佳司氏が講演。香港市場について、(1)33億円以上の資産を持つ富裕層が1 万人以上で、テスラやポルシェなどの高級車が溢れている、(2)親日派が多く日本への旅行者は人口の3分の1程と圧倒的な日本訪問の経験者、(3)日本の農産物の輸出先は香港がトップで、2017年で1,900億円、高級な和牛なども人気で、日本産への親和性が高い、(4)ビジネスルールが英語で整理されているグローバル都市―― などの特徴を紹介し、中国本土との違いに触れた。また、「市場が小さい」との指摘があることに対し「狭いエリアに日本の人口の半分の6,000万人が生活して、しかも中国本土のビジネスの入り口として、信頼できる市場である」と解説した。

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講演する信興集団 藤本氏

同氏はパネルディスカッションで、急速に高齢化する香港市場と、その先に控える中国市場などを視野に、「大きなビジネスチャンスが広がっている」ことを指摘。「香港は大きなビジネスチャンスへのスタート地点である」と結論付け、介護ベッドや車椅子の輸出事例なども紹介し、日本企業の参入を促した。

香港政府エルダリーコミッション会長の林正財氏は、香港は2017年時点で平均寿命が男性81.23歳、女性87.15歳と世界一の長寿であることを指摘。日本よりも高齢化対策が急務であることに言及した。分科会の演者からはこのほか、眼の画像処理に基づく「脳卒中リスクチェック」などが紹介された。また、高齢者の増加による医療費の拡大が重要課題であり、病院への集中を避ける仕組みの構築が急務だとした。また、ヒトの組織を目で解析するのではなく、センサーがチェックし、AIが評価する仕組みが構築され始めているという。香港・中国の高齢化は急速に進み、対応如何では社会問題になるとの危機感があり、日本の技術などへの期待が大きいことに各氏が言及した。

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本記事は「健康産業新聞 1656号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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