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【特集】食品業界の知財戦略-登録件数400件目 前、用途特許活用広がる-

食品特許に関する審査基準の改訂から2年が経過し、食品用途特許の登録は390件を突破した。異業種企業の参入や機能性表示食品市場の拡大が影響し、食品組成物を数値や機能で限定した用途特許の出願件数は増加している。先日の「食品開発展2018」にも多数の特許事務所が出展。知財系のセミナーは立ち見ができるほどの盛況ぶりで、関心の高さが伺えた。知的財産に関し、今後どのような戦略を取るべきだろうか?

健康産業新聞1656知財特集01

知財の特徴を把握し多面的な保護を

従来、健康食品業界では、特許の取得よりも、営業秘密として製造方法などをノウハウ化する手法が一般的だった。食品の製造方法は、外部から解明されにくく、特許取得で技術公開されるほうがデメリットだと考えるメーカーが多かった。しかし、化粧品や通販など異業種メーカーの参入件数の増加や、機能性表示食品制度の開始などが影響し、特許で製品を保護する必要性の認識が浸透し始めた。

特許庁データベースを基にした集計では、食品の用途特許の登録件数は390件を突破。審査基準の改訂から2年が経過したが、登録件数は年々増加している。原料メーカーが特許取得により自社原料のブランディングを進める事例や、受託メーカーが自社独自の製造工程を特許で権利化する事例も増加しており、今後の広がりも予想される。

他社の先行特許との接触を避け、特許で保護された製品を開発、上市するためには、ライバル商品の特許取得状況をベンチマークし、広い視点から自社製品の領域を作っていく必要がある。

海外展開を見据えた特許出願も増加

近年、食品メーカーは新規市場、生産研究開発拠点などを求め海外展開を進めるケースも多い。現地企業からの模倣を阻止し、製品を技術的な観点から保護するためには、特許権の取得が不可欠だ。

日本国内で特許権が存在していても、その効力は外国には及ばない為、メーカーは各国毎の特許権を取得する必要がある。世界152ヵ国が加盟する国際出願に関する条約(PCT)に基づく2017年の国際出願件数は……

ウェブでは一部を公開。記事は「健康産業新聞 1656号」に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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