機能性表示食品をはじめとした保健機能食品の普及や、プロテインなどのスポーツニュートリション人気、インバウンド需要などに支えられて成長を続ける健康食品市場。拡大する市場に対応するように、健康食品の受託加工・受託製造企業でも53%が増収を達成、6割の企業が設備投資を実施している。このような状況のなか、抽出、濃縮、遠心分離、打錠、カプセル充填、検査機器など、機器メーカーでは、HACCP・GMP対応、無人化、イージーメンテナンスなどをテーマに、健康食品の加工・製造会社に向けた提案を活発化。受託製造企業の生命線となる技術力―その供給側である機器メーカーの最新動向をリポートする。
■健食製造会社の経営状況は良好 約6割の企業が設備投資を実施
本紙が健康食品の受託加工・受託製造企業200社(有効回答77社)を対象に行ったアンケート調査(1646号既報)によれば、2018年上半期経営状況は65%が「良好」と回答。健康食品の受託加工・受託製造
各社ではムードが回復していることが分かった。
また、製造業の景気動向の指数になる設備投資も活発。2018年度上半期に設備投資を実施した健康食品の受託加工・受託製造企業は59%で、前年同期より15ポイントと増加した。導入された設備内容は、充填包装機、打錠機、カプセル充填装置、ろ過設備、包装機、計数機、計量機、金属探知機、検査装置など様々。また、受注数の増加による設備の増強・追加のみならず、既存設備の老朽化を理由とした更新需要も多く見受けられた。成長が続く健康食品市場であるが…
■新製品の上市続々 無人運転、義務化対応など
機器メーカー各社では、健康食品製造工場向けに新製品の開発・上市が活発化だ。カプセル充填機を手掛けるクオリカプスでは、「健康食品市場向けに、低価格で操作性の良い機械の提案」をコンセプトに、新製品であるファンネル式カプセル充填機『FUNFIL』を開発、来年4 月に発売を開始する。遠心分離機のパイオニアである巴工業は、新たにディスク型遠心分離機『TCS120』を上市。食品・飲料工業向けにサニタリ仕様であり、自動制御システムによる24時間連続無人運転も可能だ。他にも、今年改正された食品衛生法による全ての食品事業者を対象にしたHACCPの導入義務化や…
本記事は「健康産業新聞 1657号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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