スムージーをはじめ、シリアルなど一般食品用途での提案が活発化している。「食品にふりかけるだけ」「麺類に練りこむだけ」「飲料に混ぜるだけ」など利便性の高い製品開発も目立ち、活用範囲の広がりをみせている。昨年は、「ビューティスーパーフード」初のトレンドランキングが発表され、藻素材やコメ(穀類)素材、キノコ類などの伝統食材から、パープルフードやマキベリーといった美容・アンチエイジング訴求の商材に注目が集まった。消費者の7割がスーパーフードを認知する時代を迎え、各社では独自性を打ち出した提案を加速させている。
■世界市場の成長率「16%」
世界のスーパーフード市場は、2018年から2022年で16%の成長率で加速している(英国Infiniti Research Limited Technavio調べ)。市場規模は2 0 1 7 年度で2 0 億ドル(2,271億円)とも言われ、2018年度はすでに21.4億ドル(2,439億円)に到達しているものとみられる。スーパーフードによるセルフメディケーションの意識は世界的に広まっており、巨大なるマーケットを形成している。スーパーフード先進国のアメリカではライフスタイルの一部として浸透し、より身近な存在になっている。ヨーロッパでは、ロンドンの高級ホテルでチアシードやザクロを使ったスーパーフードメニューの提供も。世界各国でスーパーフードの認知普及が進んでいる。
■日本市場は400億円に拡大
スーパーフードの普及活動に取り組む日本スーパーフード協会によれば、国内の市場規模(2018年)は400億円。「市場規模は着実に拡大傾向にあり、今後の伸び代も期待できる」としている。近年では、一般食品や外食・中食への採用も目立ち、スーパーフード活用の範囲が広がっている。横浜市のベイシェラトンホテルでは、チアシードやスピルリナなどを利用したスーパーフードメニューを提供。ブッフェスタイルで手軽に摂取できることから、トレンドに敏感な若年層にも利用者が広がっている。
■ビューティスーパーフード初のトレンドランキング発表
日本スーパーフード協会は昨年8月、2018年下半期のトレンドを予想した「ビューティスーパーフードランキングTOP10」を発表。第1 位に『マキベリー』を選出した(図)。果実の中でもトップクラスのポリフェノール含有量を誇り、アントシアニンの中でもデルフィジニンを多く含むことからエイジングケアに効果的という。第3 位は『さつまいも』。準完全食品と呼ばれるほど、豊富な栄養素を含む。肌のくすみや焦げ、老化現象の原因となる糖化を予防する作用がある。第4 位には『藻素材(スピルリナなど)』がランクイン。スピルリナは、豊富なたんぱく質やビタミン、ミネラルなど多数の成分を含有しており、保湿作用に優れている。第7 位は『チアシード』。グルコマンナンと呼ばれる食物繊維が水分を吸収。発芽チアの抽出エキスを化粧品原料の水代わりに使用できるほか、チアオイルを保湿やヘアケアに使用できるという。第10位には『キヌア』がランクイン。キヌアの殻によるピーリングなどが様々な商品に使用されている。スーパーフードが身近になるにつれ、世界各国のスーパーフードを扱う原料サプライヤーでは…
本記事は「健康産業新聞 1657号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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