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特集【殺菌技術】 高まる殺菌ニーズ、一般食品での需要も拡大

 健康食品に限らず、食品原料の殺菌方法は、原料を加熱することで微生物を死滅させる加熱殺菌と、UV(紫外線)や薬剤、放射線、高圧処理などで微生物を死滅させる非加熱殺菌に大別される。

日本における食品原料の殺菌では、加熱殺菌が最も一般的であり、低温殺菌(蒸気・熱湯)、高温殺菌(過熱蒸気、煮沸)、高周波、マイクロ波、赤外線、遠赤外線など様々な方法が採用されている。なお、放射線殺菌は、海外では46ヵ国以上で香辛料や乾燥野菜の殺菌用途で利用されているが、日本では一部(馬鈴薯の発芽防止目的)を除き禁じられている。

粉粒体の殺菌加工では、加熱殺菌方法の中でも過熱水蒸気殺菌が主流。100℃以上の高温に加熱した水蒸気を対象物にあてることで、耐熱性芽胞菌も死滅させることが可能。気流式殺菌、気流式過熱蒸気殺菌、過加熱蒸気殺菌、SHS殺菌などとも呼ばれ、「殺菌対象となる原料を必要以上に濡らさない」「過熱水蒸気による殺菌のため、安全性が高い」「短時間・無酸素状態での殺菌のため、有効成分の損失や酸化が少ない」などのメリットがある。

健康食品分野において、殺菌加工が重要視されているのは、天然由来素材が利用されるケースが多いからだ。特に定番化し、安定的な市場を形成している青汁素材や健康茶素材での殺菌需要はもとより、ここ最近はスパイスやハーブなど、一般食品用途での殺菌ケースが増加。大手受託メーカーからは「コンビニや高級スーパーを中心に菌の管理に対して厳しい基準を設けるようになり、スパイスやハーブを取り扱う企業の殺菌需要が拡大傾向にある」との声も。昨年度改正された食品衛生法によるHACCP義務化や、海外輸出の際に求められる厳格な品質管理など、健康食品も含めた食品全般で殺菌ニーズは高まりをみせている。

本記事は「健康産業新聞 1661号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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