日本健康・栄養食品協会は2月7日、都内で「健康食品製造におけるHACCP導入手引書」の説明会を開催。HACCP関連文書の作成はGMP工場でも必須であることや、健食の特性を考慮して「主原料の受入」「秤量工程」等を重要管理点とした。
下田智久理事長は冒頭、「健康食品の特性を踏まえた手引書ができた」ことを報告。厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視課安全課長の道野英司氏は、改正食品衛生法の概要を解説。HACCPによる衛生管理は「ソフトの基準」であり、各業界団体が作成し確認した手引書は都道府県に通知することを説明した。
日健栄協健康食品部長の永留佳明氏は、健康食品GMPとHACCPは共通部分が多いことを説明。ただ健康食品GMP取得工場でも、実践済みの一般衛生管理マニュアルは不要だが、HACCP関連文書の作成は必須で、各地の食品衛生監視員に管理状況を的確に説明する上で必要になるとした。
HACCPでは工程に応じて、重要管理点(CCP)を設定する。健康食品の特性を踏まえて、「主原料(有効成分)の受入」「秤量」などをCCPとして設定した。前者では、別原料の使用等が危害要因になるとして、主原料受入時の同一性確認を行うこととする。厚労省検討会の指摘を受け、同一性確認については「必ずしも高度な技術や高価な分析器を要する定性試験を求めるものではなく、規格の内容によっては外観・性状の確認のみでも可とする」旨の記述を追加したことを説明した。
日健栄協GMP担当の倉住敏明氏は、手引書のモデル例について説明。例えば「錠剤」の場合、発生が予想されるハザードとして、打錠機の作動不良による「有効成分の偏析」を挙げ、管理手段は「正常作動を確認する」ことになるとした。
なおHACCPは原材料も対象になる。また、包装工程(充填・包装)のみの製造所も対象になるとした。一方、1,000品以上を扱っている工場もあるとして、その場合は工程(錠剤)ごとに、代表的な製品についてHACCP文書を作成することを提案。その他の類似工程(製品)はグルーピングを利用しての対応も可能とした。
本記事は「健康産業新聞 1661号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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