行政・業界ニュース

【連載】話題追跡―スポーツ用途で活用進むCBD、国内でも商品化の動き

カナダでの大麻の栽培、流通、販売合法化の動きや、世界アンチドーピング機構(WADA)の禁止薬物検査リストからの除外など、大麻由来有効成分「カンナビジオール(CBD)」に注目が集まっている。WHOやFDAによるCBD見直しの動きも追い風となり、海外では産業用大麻の活用が進んでおり、大手各社で参入の動きを見せている。国内の原料メーカーでも取り扱いが始まっている。
大麻の主成分は、鎮静作用のあるCBDと、高揚作用のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)。CBDは違法成分ではなく、日本で麻薬成分として規制されるTHCとは区別されている。CBDの産業利用への期待が高まるきっかけとなったのは、一昨年のWHOの薬物依存に関する専門委員会。同会議でWHOは、「安全性に関するエビデンス、一般的に良好な許容性があり、報告されているいくつかの副作用は、患者が服用する処方薬との薬物相互作用による可能性がある」と報告。CBDを危険薬物カテゴリーから外す検討が開始された。
これを受け、アメリカでは昨年、FDAがCBDを含む治療薬を認可。WADAでもCBDを禁止薬物検査リストから除外したことで、アスリートからの需要が拡大。「緊張の緩和」や「睡眠の改善」などを訴求し、スポーツニュートリション分野での製品化が進んでいる。
CBD含有健康食品を扱うシャローット・ウェブは昨年、全米での販売店舗数が3,000店舗を突破。ナチュラルプロダクトエキスポ2018では、自然食品の中で革新性がある製品として「The Nexty Consumer Choice Award」を受賞。またコカ・コーラは昨年9月、CBDを主成分とした健康飲料の開発を進めていると発表するなど、各方面で盛り上がりを見せている。米調査会社ニュー・フロンティア・データは、CBD関連商品の売上高が2022年までにおよそ10倍増の約2,900億円まで膨らむと予測している。
一方、日本でも昨秋の食品開発展で、岩瀬コスファが新トレンド素材としてCBDオイルを紹介、今夏から本格供給をスタートする。また従来からCBD製品を扱うエリクシノール、ヘンプフーズジャパン、アルコイリスカンパニー、中島商会などへの問い合わせも増え、一部通販メーカーでは、CBDを関与成分とした機能性表示食品の申請や、ドーピングフリー認証の取得に向けた取り組みも見受けられる…(続く)

本記事は「健康産業新聞 1662号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

 <関連記事>

・「歩行能力の改善」問題 厚労省「言葉狩りしない」が…省略表示に注意

・【海外市場動向②】アメリカ、オーガニック市場170億ドルに

・【海外市場動向①】中国サプリメント市場10%増の230億ドル

■「受託製造企業ガイドブック2017年版」 好評販売中■

受託製造企業ガイドブック2017健康産業新聞a2012年版を全面改定し、「機能性表示食品への対応」を追加。各社の概要、特色、業況、連絡先がこの一冊に。健康食品・化粧品の製造、各種試験・分析依頼、原料調達などに、ぜひ本書をご活用ください。⇒詳細はこちら!

 

 

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP