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特集【酵素・酵母食品】市場規模520億円(前年比3%減)に

 酵素・酵母市場は高い健康意識をもった消費者からの根強い需要に支えられ10年連続で成長を遂げた。「プチ断食」「ファスティング」による体質改善がメディアを賑わすようになった2010年ごろから市場拡大は顕著に。ピークの12年には年率で33%の成長を記録したが、その後も一過性のブームに終わらず体感のよさと伝統的な発酵食品といった特性が消費者に理解され健康食品市場に定着した。

酵素・酵母食品は、国内販路では通販の比率が高いものの、食系、薬系、エステサロン、配置薬販売、MLMなどほぼすべての健康食品ルートで商品が扱われている。海外は中国、台湾、マレーシア、インドネシアなどの地域への輸出が多かったが、最近ではイスラエルや米国から現地商品化の依頼も増え始めている。中国輸出に関してはここ数年で酵素メーカー間の競争が激しくなっている。かつては柱だった高級品の販売比率が下がり、代わりに手ごろな価格の商品を望む声が高まる中、物量的には落ちていないものの中国人ユーザーの低価格志向は売り上げ面で大きく影響しているようだ。

国内に関しては体質改善を目的としたところ結果的にダイエットや美肌、腸内環境の正常化などを目的とした購入も目立っており好調さを維持している。最近では断食道場だけでなく、酵素飲料を使って結婚式までに痩せるプログラムが話題になるなど利用シーンは多様化している。その一方で、昨年の下半期から今年の初旬にかけて複数の通販系販社に対し消費者庁から行政処分も。措置命令と多額の課徴金の納付を命じられ、市場の冷え込みに少なからず影響した。

酵素・酵母食品の製品形態も飲料タイプ主流から、打錠、顆粒、カプセルといったサプリメント剤型が増えてきた。またスティックタイプの分包などでペースト製品もトレンドになっている。さらには酵素スムージーや酵素青汁、またプラセンタなどの美容素材と配合した商品なども市場に広く流通。アルミパウチやミニボトル製品が増えるなど各社とも利便性を重視した品ぞろえになりつつある・・・(続く)

本記事は「健康産業新聞 1662号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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