消費者庁は先月26日、機能性表示食品の届出ガイドラインとQ&Aを改正した。「鼻目のアレルギー」「尿酸値」関連で使用できる軽症者データの範囲を追記。また、届出データベースを刷新し、入力項目を3割削減したほか、「エキス類」の受付を同月29日から開始した。またこれに先立ち、食薬区分の医薬品リスト成分を機能性関与成分とするための考え方を示した。
■軽度認知障害者は「健常域」
約一年ぶりとなる今回の届出ガイドライン改正の要点は、別紙2として「軽症者が含まれたデータの取り扱いについて」が新たに示されたこと。①鼻目のアレルギー反応、②中長期的な血清尿酸値、③食後の血清尿酸値の上昇―― について、例外的に軽症者データの使用を認めるための条件を明示した(右上表)。②と③では、血清尿酸値が7.1~7.9mg/dLを軽症者とする。なお軽症者を含むデータの場合、被験者の概ね半数以上が健常者であることを条件とする。今回の改正は、日本健康・栄養食品協会が消費者庁から受託した2018年度の調査事業報告書を受けてのもの。「認知機能」も検討領域に入っていたが、軽度認知障害(MCI)は境界域であり健常域に含まれると判断、軽症域者は設定しなかった。改正Q&Aでは、「加齢に伴う認知機能の低下」に関する表示を行う場合、対象被験者は「原則40歳以上の健常者」と規定。MCIは、原則40歳以上であれば「健常者に含めて差し支えない」との見解を示した。昨年3 月28日のガイドライン改正で示され、施行待ちだった「エキス類」の追加は、今回の改正に合わせる形で届出受付をスタート。必要な届出データベースの改修に1 年を要したための措置だが、3 月29日から制度の対象に「エキス及び分泌物」が加わった。さらに、届出データベースの入力項目は約30%削減。また、「販売状況の届出」の運用が開始された。販売状況が更新されず一定期間が経過した場合、消費者庁が確認メールを送信。これに対応しない場合、「本食品の販売状況は、約半年以上、届出者が更新していないため不明です」と表示されることになる。
■医薬品リスト成分で運用改善
食薬区分の運用改善について、厚労省は、生鮮食料品について、医薬品リスト成分をもとから含むことのみを理由として医薬品に該当するとは判断しないと明記。食経験や表示・広告などを踏まえて「総合的に判断する」との見解を示した。加工食品ついては、生鮮食品にも含まれる医薬品リスト成分を「抽出・濃縮・純化」目的で加工せず、かつ食品由来でない当該成分を添加していない場合も同様の取り扱いとすることとした。加工の度合いがどこまで許されるのかはケースバイケースでの判断。厚労省では常識的な判断をするとしており、規制改革推進会議のワーキンググループでは「通常使われている食品よりも大幅に超えているというのが1 つのポイント」との見解を示している。厚労省では本紙取材に対し…
本記事は「健康産業新聞 1665号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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