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特集【オーガニック】市場規模1850億円に、オーガニックJAS、スーパー出店ラッシュが追い風となるか

国内の有機食品市場は1,850億円(推計)――。農林水産省によるアンケート調査で明らかになった。公的機関による試算は初めて。市場規模は2009年度比で42%の拡大を示し、農産物を扱う流通加工事業者のアンケートでも約4割が「今後需要が拡大する」と答えた。今年は「オーガニックレストランJAS」制度もスタートし、3月に誕生した認定一号店も話題を集めている。流通サイドでは、オーガニックスーパーの出店ラッシュが拍車を掛けるなど、今後の動向に注目が集まっている。

■農水省による初の試算
農林水産省は3 月、国内における有機食品市場規模の推計値が1,850億円にのぼるとの試算を公表した。公的な機関による試算は初めて。2009年の推計金額(1,300億円)よりも42%拡大していることが判明した。同省によれば、「2009年の調査と同じ推計方法を採用した」といい、「4,530人から回答を得た」としている。このほど実施した消費者アンケートでは、「有機食品の購入・外食の頻度」を調査。「ほぼ毎日」が3.3%、「週に2 ~ 3 日程度」が5.7%、「週に1回程度」が8.5%、「月に1回程度」が6 . 5 % 、「月に1 回未満」が12.1%となった。一方で「ほとんど利用していない」が54.8%と過半数を占める結果に。今後の市場拡大のポテンシャルは十分あるとの見方もできる。同省では、有機農産物を取り扱う流通加工事業者の動向も調査している。有機農産物の取扱いについて聞いたところ「現在取り扱っている」が21.2%、「今後取扱いと思う」が42.2%だった。取り扱う理由については、「安全だと思うから」が82.9%、「消費者が求めるものだから」が56.9%、「環境に配慮した農業をしている農業者を応援したいから」が32.7%だった。今後の需要についての質問には、「拡大する」が44.7%、「変わらないと思う」が32.5%、「縮小すると思う」が2.7%だった。
■小売事業者の
3割が設置意向オーガニック食品を取り扱う小売事業者が増加傾向にある。農林水産省農業環境対策課がまとめた「国内スーパーマーケットにおける各種売り場の設置状況」によれば、「オーガニック食品のコーナー」が平成30年度で42.1%に。前年度に比べ8.6ポイント上昇し、設置割合も増加傾向にある。また、今後の設置については、「新たに設置したい」が9.9%、「設置数を増やしたい」が18.6%で、全体の約3 割を占める小売事業者が設置したい意向をもつことがわかった。近年は、オーガニック専門店の出店ラッシュも話題に。オーガニックスーパー・ビオセボンは昨年1 年間で8 店舗オープンする勢いで新規店を増やしている。4 月19日には、都内に11店舗目となる「池尻店」をオープン。今年に入っても出店攻勢を強めている。
■「オーガニックレストランJAS」
認証第1号店が誕生オーガニック食品を提供する飲食店に国がお墨付きを与える「オーガニックレストランJAS」制度が昨年12月28日に制定された。一定の基準を満たす有機認証レストランを「JAS規格」で認証するもので、レストラン分野では初めての制度。有機食材を80%以上使用する料理を5品以上提供することなどが認証の条件となっている。本年3 月には、認証第1 号店となる店舗も誕生。クレヨンハウスが運営するレストラン「広場」が同制度で初めての認証を取得している。

本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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