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特集【鮫肝油】新 規 漁 場 が 増 え 、供 給 体 制 は 安 定

馴染みある伝統素材”として健食業界で長い歴史を誇る鮫肝油。ヨーロッパを中心に鮫の漁獲規制が強化される一方、ここ数年は、原料サプライヤーによる新規漁場の開拓が実を結び、供給面の不安要素は解消されている。末端製品では、えがお、エバーライフ、オリヒロなどロングラン製品が多く、ブームに左右されない定番アイテムとして定着している。中国人をはじめとしたインバウンド特需は収束したが、“Made in Japan”の鮫油関連商品の人気は高く、輸出向けの供給量が二ケタ増を達成した事業者も。また、「エイジングケア」「内外美容」を切り口に国内消費者の掘り起しを進める動きもみられる。

■鮫肝油、輸入量1,000t中東、アフリカ地域の捕獲量が増加
鮫肝油は、漁師達が健康維持のために古くから飲用していた。ヘミングウェイの代表小説「老人と海」の一文には主人公の漁夫が鮫肝油を毎日飲む様子が描かれている。健食業界では、伝統マリーン素材として長年利用されており、その多くを海外から調達している。昨年の輸入量は約1,000t。近年は、原料サプライヤーによる新たな漁場の開拓が実り、オマーン、アラブ首長国連邦、モロッコ、モザンビークなど、中東、アフリカ地域での鮫の捕獲量が安定しており、各社、ある程度の在庫を確保しながら活動できる状態にある。原料は、鮫肝油から抽出・精製した高純度タイプのスクワレンや、スクワレン以外のアルコキシグリセロールなど特定の有用成分だけを抽出した原料、またスクワレンのみならず肝油に含まれるその他の有用成分を生かした生肝油タイプの原料などがある。スクワレンを水素添加して得られるスクワランは、化粧品向けの原料に使用されている。原料相場はキロ当たり、スクワレンが4,000円から5,000円台後半。スクワランが3,000円から4,000円台後半。今後の見通しとしては、原油高や、発展途上国の経済・生活力が向上し、漁師の賃金水準も上がっていることに加え、世界中で自国領域での資源保護の動きが強まっていることなどから価格がすぐに下がる可能性は低いという見方が大勢を占める。各社、引き続き、新規漁場の開拓を進めるほか、フィルタリング強化や、海中汚染による水銀などの重金属、残留農薬の自社基準に設けるなど、安全性、品質管理体制に徹底して取り組む。国内では、沖縄近海、静岡駿河湾などで捕獲した深海鮫の鮫肝油がある。
■“Made in Japan”、海外でニーズ増
末端製品は、製造法に伴いスクワレンをはじめとした高純度タイプ、生肝油タイプと大きく分けて2 種類の製品群が流通する。免疫サポート、肝機能サポートといった訴求点のほか、血流改善や、コレステロール、中性脂肪、脂質代謝改善作用などの研究報告もあり、生活習慣病予防に観点を置いた提案もみられる。価格は、高純度タイプが2,000円~5,000円前後、生肝油タイプが1 万~ 3 万円前後。通販メーカーのえがお、エバーライフ、薬系メーカーのオリヒロなどをはじめ、販売年数が長い製品が多い。鮫肝油の老舗メーカー・ケニングコーポレーションも、サプリメント『あい鮫生油エキス深海力』は、創業以来のロングラン製品で、高齢女性を中心にリピート率が高く、販売量は順調に推移するという。

本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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