今年1月に乳酸菌を配合した『ヒアルモイスト発酵液』を発売し、本格的に美容ドリンク市場に参入した日清食品㈱(東京都新宿区)。日本で初めて飲むヨーグルトを発売した日清ヨークをグループ会社に持つ同社では、50年近くにわたる乳酸菌研究の歴史も持つ。「ヒアルモイスト乳酸菌」については同社初となる原料の外販を行うなど、新たな展開を進めている。ダイレクトマーケティング課ブランドマネージャーの佐藤真有美氏に聞いた。
◆乳酸菌市場参入について
実は当社と乳酸菌の関係は深く、約50年にわたり乳酸菌の研究を行ってきた歴史があります。乳酸菌事業として捉えると、2017年にリフレクト乳酸菌(T-21株)を配合したサプリメント商品『アレルライト』シリーズを発売したのがはじまりです。
T-21株は、東京農業大学の岡田早苗教授がツルコケモモから発見した乳酸菌で、当社グループの研究拠点「the WAVE」にて、アレルギー症状緩和作用などの有効性を確認しました。『アレルライト』を展開する傍ら、近年は皮膚関連のニーズが高まっていることもあり、肌に有効な新規乳酸菌の探索も進めていました。
われわれが保有する1,000株以上の微生物ライブラリーのなかから細胞試験での活性が高かった菌を厳選し、選び抜かれたのが独自乳酸菌であるN320株(Lactobacillus gasseri N320)、「ヒアルモイスト乳酸菌」です。
◆ヒアルモイスト乳酸菌について
機能性に関する研究では、細胞中のヒアルロン酸の産生を促進する作用を確認しているほか、43名を対象にしたヒト臨床試験では、8 週間の摂取により、プラセボと比較し頬の水分量について有意差があることも確認済みです。
また、「ヒアルモイスト発酵液」を100名に実際飲んでいただいたモニター試験では、10日間で96%の方が肌について何かしらの変化を感じたと回答されました。摂取20日間では98%の方が肌の変化を体感しており、約80%の方が商品を購入したいとの回答を頂きました。
今後の展開としては、ヒアルモイスト乳酸菌をより多くの方に体感していただきたいとの思いから、自社商品での展開だけでなく原料の供給にも力を入れていきます。当社グループ会社の商品への配合についてはもちろん、他の企業様にも広くご活用頂きたいと考えています。
既に複数の企業様からお問い合わせがあり、商品化に向けた施策も進んでいます。当社では「ヒアルモイスト乳酸菌」の事業で知見を深めながら、新しい乳酸菌の開発、新領域での研究推進にも力を入れていく予定です。
【訂正とお詫び】健康産業新聞1671号20面、日清食品インタビュー記事中に誤りがありましたので下記の通り訂正してお詫びします。リード文1行目「ヒアルモイスト乳酸液」→「ヒアルモイスト発酵液」、「乳酸菌市場に参入」→「美容ドリンク事業に参入」、本文1段8行目「クランベリーから分離」→「ツルコケモモから発見」、本文3段18行目「モイスト乳酸菌」→「ヒアルモイスト乳酸菌」。
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