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【インタビュー】㈱キティー、オーラルケアに特化した乳酸菌
「KT-11」 歯周病菌減少効果をヒト試験で確認

 食肉向けの調味料や添加物を製造販売する㈱キティー(東京都中央区)が、ヘルスケア領域に向けて展開するのが乳酸菌クリスパタス菌「KT-11」。オーラルケアに特化したエビデンスを構築し、新たな市場を創出している。また、殺菌ビフィズス菌「ビフィスリム菌®KMH001」もラインアップするなど、市場ニーズに応じた原料供給を行っている。バイオ事業部の金井拓也氏に聞いた。

-殺菌乳酸菌「KT-11」について
当社の主力原料となるクリスパタス菌KT-11(Lactobacillus crispatus KT-11)は、乳幼児の腸内から発見された乳酸菌で、出産時に母親の産道を介して赤ちゃんに渡る菌として知られています。当社が新規事業としてバイオ事業部を立ち上げた2006年当時、抗アレルギー作用を有する菌にターゲットを絞り乳酸菌を探索していたところ、活性の強い菌として発見し、信州大学と共同で研究開発を進めました。研究では、アレルギー症状の軽減や感染症リスクの低下作用、花粉症症状の緩和などが確認され、国内で初めてクリスパタス菌の工業化生産に成功し、2011年に「KT-11」として食品原料化を行いました。メイン訴求であるオーラルケアにシフトしたのは2013年頃で、モニター試験などを進めるなかで、「歯茎から血が出なくなった」、「歯茎の腫れがひいた」などのコメントが多く聞かれるようになり、口腔ケアとしての有用性もあるのではと研究を開始したのがキッカケです。日本大学との共同研究では、歯周病発症と関連のある唾液中のIgAの産生量促進作用について確認。最新のヒト試験では、歯周病菌減少効果も確認しました。試験は、8 名にKT-11入りの錠菓(10mg/錠)を1 日3 回1 錠、4 週間摂取させた後、唾液中の歯周病原因菌数を測定したもので、その結果KT-11摂取群では、プラセボ群と比較し歯周病菌となるP.gingivalisおよびT.denticolaの菌数が有意に減少したことが認められました。さらに、プラークの減少や歯茎の腫れや赤みについても有意に減少したことを確認済みです。

 -『ビフィスリム菌®KMH001』について
乳酸菌原料を供給していくなかで、当社のメイン事業である食肉向け添加剤の納入先企業様から、手軽に配合できる有用菌がないかとの問い合わせが増えて参りました。当社としても、「KT-11」に加えて新たな製剤の取扱いを検討していたこともあり、2017年にビフィズス菌加熱処理粉末『ビフィスリム菌®KMH001』を上市しました。ヒト由来のビフィズス菌(Bifidobacteriumlongum KMH001株)を独自の方法で加熱処理した粉末タイプの原料で、1 g 中に1,000億個以上の菌数で規格化しております。生きたビフィズス菌との比較研究では、善玉菌(ビフィドバクテリウム属)の増加率や悪玉菌(バクテロイデス属)の減少率について、生菌同様の結果が得られました。サプリメントはもちろんですが、一般食品にも配合しやすい原料で、今後幅広い食品に向けて提案を積極的に行って参ります。

 -今後の展開について
「KT-11」については、オーラルケア領域での知見をさらに重ねていきたいと考えており、機能性表示食品としての利用も視野に入れて取り組みを進めて参ります。また、昨年あたりから海外からの問い合わせが増えており、輸出案件についても積極的にご案内していきます。現在、中国、台湾向け製品の採用実績があり、今後は供給範囲をさらに広げて参ります。

㈱キティー  バイオ事業部  営業企画課主任  金井 拓也氏

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