二日酔い・飲酒対策を目的としたサプリメントには、ウコン、シジミ、肝臓エキスなどの定番素材に加えて、ヘミセルロース、アラニン、シスチン、フルボ酸なども活用されている。末端市場では、『ウコンの力』、『ペパリーゼ』のシェア率が圧倒的だが、新素材を活用した商品提案も見受けられ、原料メーカーでは、肝機能改善、肝臓保護などに関する研究が進められている。販売チャネルは、GMS、DgS、EC通販などが主流だが、飲食店、カラオケなど新たな販路の開拓も進んでいる。
■日本人はお酒に弱い!?
ウコン、シジミに続く素材は…二日酔いの原因とされるアセトアルデヒドは、毒性が強く、頭痛や吐き気を誘発するほか、酸化反応により遺伝子を傷つける。肝臓障害や食道がんのリスクを高めると言われている。日本人は、アフリカ、ヨーロッパ系の人種に比べて、アセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH 2 」の欠損率が高く、酒を飲めないタイプの人が4 割以上と言われている。遺伝子の構造上、お酒に対する耐性の弱い日本人は、古くから二日酔い対策、肝臓の保護を目的に、医薬品、漢方薬、シジミやウコン、トマトジュースなどの食品を利用してきた。
■近年は、原料サプライヤーによる研究が進み
アルコール代謝の促進、血中のアセトアルデヒド濃度を低下、肝機能の向上。肝臓保護などのエビデンスの構築が進み、数多くの素材が登場。ウコンの「クルクミン」やシジミの「オルニチン」を筆頭に、二日酔い対策サプリメント、ドリンクへの配合が進み、DgS、GMS、酒販店、ECモールで広く展開が進んでいる。二日酔い・飲酒対策の代表素材であるウコンは、本紙集計で2018年、300億円規模の市場を形成している。ウコンに次いで、定番素材となっているのがオルニチン、肝臓エキスなど。またヘミセルロース、アラニン、シスチン、ベニクスノキタケ、フルボ酸などの配合も見受けられる。商品の剤形は、『ウコンの力』(ハウスウェルネスフーズ)、『へパリーゼスーパー』(ゼリア新薬工業)に代表されるドリンクタイプが主流だが、サプリメント(粒、顆粒)、タブレット、ゼリータイプ製品も上市されており、バリエーションが広がっている。
■令和1 年3 月期の決算報告によれば
『ウコンの力』シリーズは減収だったのに対して『ヘパリーゼ』シリーズ(医薬品含む)は伸長。依然として、ハウス、ゼリアが同カテゴリーの2 強の情勢は変わらないが、製薬大手メーカーの参入も進んでおり、『カンゾコーワ』(興和)や『リポビタンアルコベール』(大正製薬)、『ウルソウコン』(田辺三菱製薬)など新商品の投入も見受けられる。ドクターズチョイスが展開するグルコマンナン分解物「コンプレン」は、同社のPB商品『乾杯王』に配合されるほかOEM供給が好調。年々、供給量を拡大している。ケーツーコミュニケーションズは、フルボ酸とフミン酸を同時抽出した「フムスエキス」を開発。肝機能系のエビデンスを構築し、上市以降、二日酔い対策サプリへの供給が進んでいる。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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