果物の持つイメージと美容健康・志向にマッチした素材提案で拡大傾向にあるスーパーフルーツ市場には様々な素材が流通している。主要原料メーカーを見るとエビデンス構築はもとより、発酵による差別化や高含有化などで好調なケースも。ハラル・コーシャによる提案や、機能性表示食品での採用なども見られる。
■発酵、高含有、エビデンス構築で差別化機能性表示食品への提案も
スーパーフルーツ市場が拡大している。美容意識の高い女性を中心に人気が高く、主要原料メーカーの提案も活発だ。ジャフマックは、各種スーパーフルーツを発酵させた自社原料を提案するほか、受託発酵にも対応。ここ数年の発酵ブームも追い風に、発酵受託加工ニーズが増えている。サンシントレーディングでは、「ビタミンCを天然素材で摂りたい」ニーズを背景に、アセロラやカムカムなどが好調で美容用途を中心に引き合いが増加している。機能性表示食品への提案やエビデンス構築も進む。森下仁丹は機能性表示食品対応素材としてローズヒップポリフェノールを提案。
サプリメント、飲料、調味料など幅広く採用されている。原料供給先からは「ローズヒップのイメージがよい」「体脂肪を減らすというヘルスクレームが響く」と好評だ。タイヨーラボは、今年3 月にアムラ原料を用いた『サンアムラパウダー』が“冷え”対応で機能性表示食品として受理。機能性関与成分はエラグ酸で、アムラとしては初の受理となる。オリザ油化は主力品『MaquiBright®
(マキベリーエキス-P35)』で、健常者を対象にしたドライアイ改善作用を確認。機能性表示食品の届出を視野に入用など多角的なエビデンスを保有する『グァバフェノン』を美容・関節ケア訴求で提案。眼精疲労・ドライアイ改善機能で特許を取得した『ブルーベリー葉エキス末』も“国産アイケア素材”として、提案を強化している。
■ハラル、コーシャ、オーガニックでの提案も
エビデンス構築や機能性表示食品向けの提案に加え、ハラル、コーシャ、
オーガニックなどの認証で差別化を図る企業も。東洋サイエンスはザクロ抽出エキス『ポマノックス』を供給。ヒト試験で毛髪密度増加効果、抗炎症効果などを確認済み。完全水抽出方法を採用することで、エラグ酸含有量を低く抑えプニカラジン含有量の規格化に成功。ハラル認証やコーシャにも対応可能だ。大倉ケミテックはこのほど、ハラル認証、コーシャ認証、海外有機認証を取得しておりオメガ7 を45%規格化した『シーベリーフルーツオイル』の取り扱いを開始した。
ホールサムジャパンでは昨年よりニュージーランド産オーガニックカシス原料の取扱いを開始。サプリメント、飲料、食品用途などに提案している。このほか、ネイチャーライフの国産素材ジャバラ果皮抽出物『シトラスラリルチン®30』やシークヮーサー果皮抽出物『ノビレチン』、ユニテックフーズのグリーンバナナパウダー『バナナマッシュ』などが流通している。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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