「新油」市場が急拡大している。アマニ油、シソ・エゴマ油、米油、ココナッツオイルを中心に、マーケットサイズは250億円を突破。“サプリ的オイル”“食べる油”として市場に定着、相次ぐ大手参入に加えて、機能性表示の登場も市場拡大に拍車をかける。チアシード、アルガン、MCT、ヘンプなど、ネクストオイルも続々登場しており、300億円の大台も見えてきた。本特集では、「n-3系脂肪酸の補給源」として認知拡大が進むアマニ(亜麻仁)油、シソ・エゴマ油のほか、アンチエイジング機能が期待される米胚芽油(γ-オリザノール含有)、コスメおよび食品分野で需要高まるアルガンオイルまで、注目の機能性植物油を紹介する。
■新油市場250億円、拡大続く主婦に刺さる”機能性表示油”に期待感
日清オイリオグループの定点調査によると、アマニ油、エゴマ・シソ油、米油を中心とした「新油」市場の拡大が顕著だ。2018年の市場規模は250億円に達し、2014年(90億円)から約2.7倍に急拡大している。“食べる油”“サプリ的オイル”として、サプリメントから一般食品まで、さまざまな分野で商品化されている。内訳はアマニ油98億円(前年比65増)、シソ・エゴマ69億円(同27%増)、米油67億円(同16%増)、ココナッツオイル13億円など。伸長著しいのはアマニ油。フロントランナーである日本製粉をはじめ、日清オイリオグループ、キユーピー、J-オイルミルズなど、大手各社がアマニ配合商品を積極展開、機能性表示食品も登場している(下表参照)。普段使い慣れている油カテゴリーにおける機能性表示は、主婦層が取り入れやすいという強みがあり、“主婦に刺さる機能性表示食品”として、今後の市場底上げに期待がかかる。
日本製粉では、約30品におよぶアマニ配合商品を展開。今春、機能性表示食品として受理された『アマニ習慣』を今月投入する。原料事業では、多様なニーズに対応する各種アマニ原料をラインアップ。「業務用アマニ油S」「業務用アマニ油Sプレミアムリッチ」は、機能性表示に対応する。日清オイリオグループでは、「朝食シーンでの利用が拡大」したと分析。アマニ配合ドレッシングの普及を図るほか、「日清キャノーラ&アマニ油を販売し、キャノーラユーザーにアマニをPRしていく」方針を打ち出す。
■家庭用油の国内市場規模は1,493億円と過去最大規模に
オリーブオイル(405億円)が急伸し、トップに君臨していたキャノーラ油(403億円)を抜いてナンバーワンのカテゴリーとなった。「ふりかける」「そのまま摂取」を訴求する生食需要の拡大が市場規模拡大に繋がったとの見方も。エゴマ油は、昨年1 1 月のN H K「ガッテン」で「スプーン1 杯でカラダが激変!食べるアブラの新常識」の中で取り上げられたことを機に、ブーム再来。今年4 月にも、TBS「名医のTHE太鼓判!」で放映されるなど、新規顧客の開拓が急ピッチで進んでいる。創健社では、「19年3 月期決算では、エゴマ油の伸長によって増収増益を果たした」と分析。「エゴマ油配合のドレッシングやマヨネーズなど横展開商品も定着してきた」としている。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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