運動前後の栄養補給や疲労回復、ボディメイクやダイエット、ロコモ・サルコペニア対策や高齢者の低栄養対策、睡眠の質改善など、幅広い訴求で活用されているアミノ酸。市場では従来のサプリメント剤形に加え、ゼリーやバー、ドリンク、菓子や練り製品といった多様な商品が流通している。サプライヤーサイドでは、エビデンスデータの整備を進める等、“高付加価値アミノ酸”で差別化を図る提案を進めている。海外で人気の植物由来製品への関心の高まりから、ベジタリアン認証を取得した原料供給の動きも。スポーツ人口増などを背景に、アミノ酸市場はさらなる拡大の様相をみせている。
■フィットネス市場4％増の4,800億円で過去最高
日本生産性本部余暇創研は先月18日、「レジャー白書2019」の概要を発表、余暇活動における参加人口の統計では、「ウォーキング」が3,030万人で9 位にランクイン。「ジョギング、マラソン」は2,160万人で20位だった。「スポーツ部門」は、アウトドア、ランニングなど用品市場のほか、フィットネスクラブが伸びている。フィットネスクラブ市場は前年比4.1％増の4,800億円となり、過去最高を記録した。ラグビーW杯や東京五輪開催、健康志向の高まりを背景に、今後もスポーツ人口の増加が見込まれている。
■サプリ、ささみバー、ちくわまで多様な商品で需要喚起
スポーツ人口の増加とともに、運動中の栄養補給や運動後の疲労回復などスポーツニュートリションの意識も浸透。消費者ニーズの多様化を背景に、アミノ酸配合のサプリメントやドリンク、バー、ゼリー、菓子、練り製品などバラエティに富んだ商品が市場に流通している。THINKフィットネスは、主力販売店のゴールドジムを中心に、ペプチド高含有の『ホエイペプチドアミノコンプレックス』や『BCAA・アルギニンパウダー（ヨーグルト風味）』等を展開。
その品質や体感性の高さからボディビルダーをはじめアスリート等から絶大な支持を得ている。水産加工物を製造する一正蒲鉾は今春、BCAA1,500mg配合のちくわ『スポちく』を上市。ワンハンドでの手軽さ等を訴求している。各種練り商品を手掛ける丸善では、ソーセージタイプのプロテインバー『プロフィットささみプロテインバー』をナチュラルローソン等で展開、8 月には食味を改善したリニューアル品を投入する。アミノ酸・ペプチド配合商品の開発は一般加工食品まで裾野が広がっており、健康面に気を遣う一般ユーザーを巻き込んだ商品開発が進められている。
■EAAに脚光「You Tubeで話題」に
筋トレサプリ業界で今年、にわかに注目を集めているのがEAAサプリメントだ。9 種の必須アミノ酸の総称であるEAA（Essential Amino Acid）は、効果的な筋トレに有効であるとの研究論文も発表されている。サプリメント通販事業を行うレバレッジは今秋、EAAとβアラニン配合のサプリメントを上市する。EAAについて同社では、「アミノ酸配合比率に関する研究論文が海外で発表されている。
国内でも山本義徳氏（ボディビルダー・トレーニング指導者） がYouTubeで情報発信したことを契機に話題を集めている」といい、「9 種の必須アミノ酸を科学的根拠に基づく配合比率で摂取することで、筋合成の効果を最大限に高めることが可能」としている。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」（月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁）定期購読のお申し込みはこちら
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