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特集【ショウガ】冷え対策、歩行能力維持で市場定着、「血糖」「目」「肌」で新知見も

世界各国で栽培され、香辛野菜のみならず民間薬としても古くから利用されてきたショウガ。国内では健康食品やドリンク、一般食品にいたるまで、冷え対策の定番素材として幅広い商品に応用されている。機能性表示食品では、「歩行能力維持」から「脂肪消費」まで、冷え対策にとどまらない商品化が加速。現在、申請中の企業も複数あり、ショウガを関与成分とする機能性表示食品の開発は今後も進みそうだ。機能性研究では「血糖」「目」「肌」で新たな臨床結果も。原料サプライヤーサイドでは、オリジナル素材の開発など、差別化提案を強化している。

■「血行促進」「脂肪燃焼」ショウガの機能性がテレビで話題に

新陳代謝を促進し、身体を温める素材として認知されるショウガ。古くから漢方素材「生姜(ショウキョウ)」として、重要生薬に位置付けられている伝統食材だ。国内では各種メディアでショウガの機能性がフォーカスされるなど、健康食材としての認知が進んでいる。テレビ番組では9 月、「あさイチ(NHK)」、「林修の今でしょ!講座~ 3 時間スペシャル~(テレビ朝日)」で“夏疲れ解消”をテーマに取り上げられた。番組内では、ショウガ研究の第一人者・医学博士の平柳要氏が出演し、生姜に含まれる成分“ショウガオール”が、血行促進や脂肪燃焼を促すことを説明。「キムチなど唐辛子が入った料理や赤パプリカと一緒に摂取することで相乗効果が期待できる」とし、さらに、「ショウガオール摂取後の3時間以内に、ランニングなどの有酸素運動をすることでより効果が期待できる」と紹介した。

本紙取材に対し同氏は、「圧力鍋でショウガを蒸すことによって、ショウガオールが20倍になることがわかっている」と述べている。国産ショウガ供給のパイオニア・㈱坂田信夫商店では、国産生姜に関するテレビ番組のほか、SNSを活用した情報発信やレシピ本(東日本版・西日本版)の作成、店頭販売や料理教室を通して、ショウガの様々な魅力を発信。このほど出演したテレビ番組では、「芽の出るショウガは日持ちする」ことや、「みずみずしさを保つ保存にキッチンペーパーが最適」といった生姜の扱い方に関するコツを紹介した。

■高まるショウガニーズバラエティに富んだ商品開発進む

市場では、高まるショウガニーズを背景に多種多様な商品が流通している。ブームの火付け役といえば、永谷園のショウガ配合スープ『冷え知らずさんシリーズ』。冷えに悩むユーザーからの圧倒的支持を集め、10年以上も販売が続くロングヒット商品に。これを契機に“温活”をテーマにした商品開発が各社から相次いだ。ショウガ湯やショウガハチミツといった定番商品のほか、近年では甘酒や青汁、ドリンク、スープ、菓子などのバラエティに富んだ商品が上市されている。ドリンクでは8 月、高級スーパーの成城石井が『生姜10倍エクストラスパイシージンジャーエール』を投入。同社が発売する既存品に対し、“10倍量の国産生姜を使用する”ジンジャーエールとして訴求、新たな需要を掘り起こす。

■真鯛の養殖にショウガうまみ成分「グルタミン酸」3割アップ

ショウガ粉末を使用した真鯛の養殖もみられはじめている。高知県内の養殖事業者らは昨年、「生姜真鯛®」のブランド化に成功。商標登録も実施した。同県産のショウガをエサに与えた真鯛は、うまみ成分のグルタミン酸が一般のマダイと比較して約3 割多くなるほか、生臭さを感じさせるヘキサナールが少なくなるという。原料はショウガ加工大手の㈱あさのが供給した。

 

本記事は「健康産業新聞 1677号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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