約880万人の人口を抱える大都市「大阪府」。古くから「商人の街」として栄え、また全国屈指のモノづくり企業数を誇り、独自の優れた技術やアイデア、商法を生かして発展してきた。近年は外国人観光客の増加に伴い、百貨店やドラッグストアなど、軒並みインバウンド需要に沸いている。大阪には、外国人観光客に人気の化粧品や医薬品、健康食品の製造業者も数多く本社工場を構えている。また大阪府では、超高齢社会において成長産業となり得る健康寿命延伸産業の創出・振興を目指し、「大阪健康寿命延伸産業創出プラットフォーム」を中心に、中小企業へも手厚い支援を行っている。2025年には大阪万博の開催も決定し、さらなる好況が見込まれる大阪経済および在阪企業の動向に注目される。
■インバウンド需要が景気底上げ
大阪観光局の統計によると、2018年の来阪外国人観光客数は約1,142万人(前年比103%)となり、2011年以降7年連続で増加。2019年1 ~ 3 月期も前年比104%で推移している。これら外国人観光客の増加に伴うインバウンド需要は、大阪の経済を活性化へと導く一助となっている。実際、日本百貨店協会の統計によると、2018年1 ~12月の年間百貨店売上高で大阪地区は前年比3.9%増と好調だった。2019年も1月こそ前年比マイナスとなったものの、2 ~ 7 月は6ヵ月連続で前年比を上回っている。
また経済産業省の商業動態統計によると、ドラッグストアの都道府県別販売額でも大阪府の2018年のドラッグストア販売額は前年比107.6%と好調に推移している。なかでも外国人観光客に人気のアイテムは、日本製の高品質な化粧品や医薬品、健康食品など。大阪には、これら分野で全国的な知名度を誇る大手・有力企業が数多く本社を構えている。
■健食・美容分野の大手・有力企業が集積
日本生物.科学研究所、世界各国から原料仕入れルートを確立し、豊富な原料供給体制を整える日本粉末薬品、ゴマの老舗・大村屋、ミミズ健食の販売等で知られるエンチームなどがある。また関西屈指の健康食品OEM企業の田村薬品工業、サプリメントの販売や提案OEMを展開するファイン、植物発酵エキス製造の老舗メーカーである大和酵素やコトブキ薬粧なども本社を構える。
さらに大阪には化粧品メーカーも多い。なかでもOEM分野では、業界最大手の日本コルマー、業界2 位の東洋ビューティを筆頭に、医薬部外品OEMで急成長のミリオナ化粧品、様々な企画に細かく対応するノーベル化学宏業、極小ロットからのOEMが強みのゼロ・インフィニティ――など数多くの化粧品OEMメーカーが本社工場を構えている。
その他にも電解水素水整水器トップの日本トリム、マッサージチェア大手のフジ医療器やファミリーをはじめ、機能性繊維「バイオラバー」を用いた健康衣料品で「体調改善機器」第1 号に認定された山本化学工業、温熱・イオン商材が好調のトラストレックス、ポータブル水素吸引具『KENCOS®』で、水素商材初の「体調改善機器」に認定された急成長のアクアバンク、コンパクトサイズの水素吸入器『ラブリエ』シリーズのイズミズ――など、家庭用医療機器や健康機器分野の大手・有力メーカーが多いのも大阪の特長だ。
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