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特集【納豆由来・機能性素材】 国 内 外 で 注 目 集 ま る ナ ッ ト ウ キ ナ ー ゼ

充実したエビデンスデータ、体感性の高さから国内外で注目集める納豆由来・機能性素材(ナットウキナーゼ、ビタミンK2、納豆菌)。市場を牽引するナットウキナーゼは、血栓溶解作用に加えて、脳機能改善や美肌など新たなエビデンスの構築が進み、機能性表示受理を目指した動きも見られる。原料メーカーでは、国内向けの供給が縮小する一方で、中国、台湾、東南アジアをはじめとする海外への供給が拡大している。骨質強化やロコモ訴求のビタミンK2や、整腸・抗メタボ訴求の納豆菌もエビデンスに裏付けされた機能性素材として活発な提案を進めている。

■ナットウキナーゼ認知度8割、機能性表示の期待高まる

納豆は、安価で栄養価が高い伝統的な発酵食品として、広く国民に親しまれてきた。近年は、納豆に含まれるナットウキナーゼ、ビタミンK2(メナキノン- 7)、納豆菌など有用成分に関する研究が進み、納豆独特の臭いを取り除いたサプリメントが広く流通している。

また海外での利用も拡大しており、特に中国や東南アジア諸国で納豆サプリメントの利用が活発化。日本の伝統的な発酵食品として人気を獲得している。市場を牽引するのは、血流改善の機能性素材として定番化しているナットウキナーゼだ。国内では小林製薬、オリヒロ、アサヒグループ食品、ヤクルトヘルスフーズ、ファンケル、ディーエイチシーなど大手メーカーで採用されている。

各社、大きな売上の伸長は見られないものの定番商品として堅調を維持している。ナットウキナーゼ単体のサプリメントに加えて、DHA・EPA、CoQ10、ケルセチン、フコイダンなど他素材と組み合わせたハイブリッド製品が数多く見受けられる。現在、国内で流通するナットウキナーゼサプリの多くは、血栓の主成分となるタンパク質(ファブリン)の分解ユニット値「FU値」を2,000~4,000の間で規格化されており、血液凝固を促進するビタミンK2を除去し、血栓症患者などに処方される血液を固まりにくくする医薬品成分(ワルファリン)との併用することができる点が特徴だ。

ナットウキナーゼは、1980年代に初めて「血栓溶解作用」が解明され、血液の凝固・線溶系に対する影響や血液流動性改善に関する研究データが豊富だ。業界団体の日本ナットウキナーゼ協会は、その血栓症予防効果についてテレビCMの放映や消費者向けシンポジウムを定期的に開催している。定期調査では、ナットウキナーゼの消費者認知度は8 割近くで、「ナットウキナーゼ=血液サラサラ」のイメージは広く消費者へ浸透していることが伺える。機能性表示食品の受理に向けた動きも見受けられる。

国内トップサプライヤーの日本生物.科学研究所では、従来の研究データをもとに、機能性表示食品の届出を進めており、受理されれば、「“血流”“血圧”といったワードを含んだ機能性表示が期待できる」としている。また最近では、「首や肩痛の改善作用」、「血中内の遊離β-アミロイドの正常化効果」、「睡眠質の改善効果」「美肌作用」に関する臨床研究も進められており、女性サポート、脳機能改善、内外美容といった「血液サラサラ」以外の新たな切り口でのアプローチも進んでおり、今後の製品化が期待されている。

 

 

本記事は「健康産業新聞 1678号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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