ウコン市場が300億円を堅持している。市場の中核を担うドリンク分野では、『ウコンの力』(ハウスウェルネスフーズ)、『ヘパリーゼシリーズ』(ゼリア新薬工業)の2強状態が続く中、依然として、『カンゾコーワ』(興和)、『リポビタン アルコベール』(大正製薬)など、大手参入は絶えない。ドリンク分野における新製品開発は、ブランド戦略、複合素材による差別化、、吸収性向上など、+αによる高付加価値化が強く求められている。成熟期に入ったウコン――さらなる市場拡大のキーとなるのは、美容・関節対応カテゴリーにおける「抗炎症サプリメント」の開発にある。
◆市場規模300億円を堅持
ウコンがブレイクしたのは98年前後、02年には“沖縄ブーム”が追い風となり、さまざまな形態のウコン商品が上市され、化粧品分野における「琉球コスメブーム」もリンクし、02年には100億円を突破した。その後、04年の『ウコンの力』の上市を機に、相次ぐ大手参入、販売チャネルの拡大、高単価化が市場を押し上げ、300億円市場を形成している。
内訳としては、ドリンクタイプが7割を占め、サプリメント(粒・顆粒)、茶製品などが続く。ウコンを飼料に混ぜ込むことで、栄養強化を図った「ウコン卵」をはじめ、「ウコン米」「ウコン豚」「ウコン牛」なども登場している。
「肝機能対応」「二日酔い対策」のカテゴリーで定着したウコンではあるが、ここ数年、市場は伸び止まっているのも事実。オルニチン、肝臓エキス、アラニンなど、新たな二日酔い対策・肝機能対策素材の台頭に加え、「ノンアルコール飲料の台頭」「若年層における飲酒人口の減少・飲酒のライト化」「(医薬品など)選択肢の拡大」などが背景にあるようだ。バイヤーによると、「エナジードリンクにフェイスを奪われている」との声も。
◆ハウス、ゼリア、2 強それぞれの戦略
14億本に迫る累計販売実績を有する『ウコンの力』ブランドを展開するハウスウェルネスフーズでは、清涼飲料カテゴリーで高いシェアをキープ。今年9 月には、“シリーズ史上最強の1 本”として、『ウコンの力 超MAX』を投入するなど、年末年始のハイシーズンに向けて、積極攻勢をかける。「ユーザーの皆様にブランドをもっと身近に感じてもらいたい」と方針を打ち出しており、“親しみやすさ”“ポジティブな飲用”などをテーマに、新規・休眠ユーザーの掘り起しを図る。ウコンの機能性解明を通して、新たな領域へのアプローチも進めていく。
『ヘパリーゼ』ブランドで猛追するゼリア新薬工業では、医薬品を含む同シリーズの売上高が131億円8,400万円(前年比2.7%増)。食品・清涼飲料を中心としたCVSでの売上が71億(前年比4.5%増)、医薬品を中心としたDgSは60億円を計上している。昨年4 月に上市した『ヘパリーゼW プレミアム極』など、高価格帯商品のリピートは高いという。
「CVSで低価格帯から高価格帯へと購入者のシフトがある」と分析する。2 強に続き、サントリー食品インターナショナル、日本コカ・コーラ、キリンビバレッジ、佐藤製薬などが相次いで市場参入を果たしている。その潮流は依然続いており、昨年には興和が“飲み会を科学する”をコンセプトに『カンゾコーワ』を投入。今春には、大正製薬が『リポビタンアルコベール』で市場参入した。
「CVSにおける肝機能・二日酔い対策ドリンクのフェイスは限られており、大手企業でも後発組の棚落は激しい」との声もあるが、大手参入は絶えない。ドリンク分野における新製品開発は、複合素材、吸収性など、+αによる高付加価値化が強く求められている。乳酸菌を配合し、認知度の高い「リポビタン」ブランドでの製品化、これからのウコンドリンク開発のカタチがここにある。
本記事の続きは「健康産業新聞 1679号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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