コンビニやドラッグストアなどの飲料コーナーでひときわ存在感を示している「エナジードリンク」。市場規模は2008年30億円から2017年394億円と急伸している。近年は新製品が相次ぐなど、シェア争いが激化。今年は日本コカ・コーラから立て続けに2アイテムの新商品が投入された。スポーツや仕事の合間でも手軽に栄養を摂取できるゼリーやバーなど、多様な形態で裾野が拡大。BCAAなどの各種アミノ酸やビタミンを配合した商材も人気が高まっている。原料サプライヤー各社では今後の需要増を見据え、高付加価値素材としての提案や他の原料との組み合わせ提案を強化している。
■エナジードリンク、新製品投入相次ぐ女性層やノンユーザー向けも
サーチを行う㈱インテージヘルスケアによれば、「若年層におけるエナジードリンクの購買機会が増加している。エナジードリンク市場は2008年の30億円から2017年には394億円に急伸した」という。エナジードリンクはリフレッシュ時や一時的なエネルギー補給に飲まれる傾向があり、抗疲労のニーズが強い栄養ドリンクとは異なるマーケットを形成している。
海外製品『レッドブル』のほか、近年では国産ブランドも続々参入、シェア争いが過熱している。日本コカ・コーラは10月、エナジードリンク『リアルゴールドドラゴンブースト』(250ml)を発売した。薬日本堂㈱協力のもと、カフェイン、アルギニン、ローヤルゼリーなどエナジー成分のほか、東洋素材として高麗人参、紅参、シベリア人参、リュウガン、クコ、霊芝を配合。 「100種近いテイスティングを実施して開発した」という。
同社では7 月にも新製品『コカ・コーラエナジー』を投入し、発売後5 週間で出荷数量2,000万本を記録。「想定よりかなり反応が良かった」と分析する。アサヒ飲料は4 月、エナジードリンク『モンスターパイプラインパンチ』(355ml)を発売した。ビタミンB群、アルギニン、カルニチン、高麗人参エキスなどのエナジー成分とカフェインを配合している。
同社・担当者によれば、「女性層をメインとしたエナジドーリンクノンユーザーがターゲット」とし、「10代や20代の若者が“炭酸の刺激を楽しみたい”“気分転換したい”といった目的で飲用する傾向にある」という。「新たなライフスタイルの定着や新規参入を追い風に今後もエナジードリンク市場の拡大は継続していく」とみる。
同シリーズ売上については、「2014年6月から2019年2 月まで57ヵ月連続で販売数量が前年同月実績を超えている」とし、2018年の年間販売数量は前年比129%増を記録した。ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールデングスはPB商品『EXSTRONG』シリーズを展開。5 月には塩とクエン酸を配合した「BODY&SALT ENERGY DRINK」を投入するなど、シリーズ化に弾みをつけている。
本記事の続きは「健康産業新聞 1681号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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