「免疫力や抵抗力を高める健康食品」。一昔前ではお馴染みのフレーズだったが、薬機法の厳格化に伴い近年では耳にしなくなった。その一方で、「強さ引き出す乳酸菌」「まもり高める乳酸菌」「チカラ、呼び覚ます乳酸菌」といった具合に表現こそ違え、免疫賦活を連想させるプロモーションが活発化している。
今も昔も免疫に着眼した訴求に変わらないが、異なるのは一昔前は“がん”をはじめとした重篤疾患者に向けたアプローチだったのに対し、現在では大多数の消費者に向けたマス・マーケティングであるという点。
いまや免疫機能の向上は、子供も大人も、一般人もアスリートも万人に共通する健康課題となっている。免疫領域へのヘルスケアは“イミューンヘルス“とも呼ばれ、国内はもとより海外でも関心が高い。免疫賦活素材の代表格ともいえるアガリクスも再評価されつつあり、特にアジア諸国ではメイドインジャパンの「アガリクス製品」へのニーズが高まっているという。
■健康寿命の観点からも注目免疫向上素材アガリクス
プロポリスやフコイダンなどと並び、生体防御や生体応答調節の観点から有用とされるアガリクス・ブラゼイ(和名:カワリハラタケ、ヒメマツタケ)。アガリクスに関する研究では、抗腫瘍作用、NK細胞活性作用、抗疲労作用、QOL改善作用など、幅広い機能性が確認されてきた。
厚生労働省がん研究助成金研究班が2012年に作成した「がんの補完代替医療ハンドブック第3 版」では、アガリクスのヒト臨床試験に触れ、「アガリクス摂取群においてNK細胞を活性化する効果、抗がん剤の副作用(食欲不振、脱毛、全身脱力感など)を軽減する効果について有効性が認められています」と記載するなど、アガリクスの有効性の高さについて言及している。
こうした背景からアガリクスのメインユーザーは、がんなどの疾病者が多くを占めていたが、最近では健康寿命の延伸の観点から多くの消費者がセルフディフェンスを目的に利用を進めている。免疫力や自然治癒力を高めたいという機運は年々高まりつつあり、予防領域という点でもアガリクスが再び脚光を浴びている。
こうした需要は、国内のみならず海外も同様だ。健康意識の高まりは各国共通で、台湾をはじめ、シンガポールや中国で日本のアガリクス商品が評価され人気となっている。『仙生露』を販売するエス・エス・アイでは、以前より香港やシンガポールでの販売を進めてきたが、ここ数年売上は右肩上がりだという。
『キングアガリクス100』を展開する東栄新薬では、「当社が使用するKA21株に関する研究成果は国際論文が28本あり、エビデンスが評価されている」とし、すでに展開しているベトナムを皮切りに、フィリピン、シンガポール、マレーシアなどの東南アジアをはじめ、今年に入り香港への輸出を開始するなど、海外への出荷量は急増しているという。各社とも、海外からの需要は今後も拡大傾向にあるとみており、これまで以上に海外進出に積極的に取り組んでいくとみられる。
本記事の続きは「健康産業新聞 1681号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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