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特集【クマ笹】青汁用途で定着、新たに乳酸菌も登場 加工食品・ペット・飼料など活用広がる

国産伝統素材であるクマ笹の活用が広がっている。従来のエキスや茶形態を中心に、青汁用途が安定推移するほか、麺類や製パンといった一般加工食品や、畜産飼料、ペットサプリなど幅広い用途で利用されている。市場では、新たにクマイササ由来乳酸菌も登場。原料採取地である北海道では、クマ笹を地場の産業振興に活用する事例も。定番ルートである薬系・医家向けや無店舗では、高齢者向けにサプリシリーズの提案や、コミュニティの場を提供するといった新たな動きもある。

■底堅い人気を軸に新領域へ

北海道産を中心に、長野、新潟など国産の伝統素材として使用実績の豊富なクマ笹は、4 年前より日健栄協「青汁食品」規格基準に公示されて以降、『青汁げんきプラス』(北海道アンソロポロジー)や、『北の大地の青汁』(野草酵素)、『乳酸菌が入った青汁』(世田谷自然食品)、『黒糖抹茶 青汁寒天ジュレ』(興和)など、青汁用途の差別化素材として採用が増加。競合の多い青汁市場において、「一度購入したらやめる人がほとんどなく、家族で習慣化するケースもあり、ラインナップの中でも貴重な商品」(北海道産アンソロポロジー)といった声もあり、各社とも人気の定番アイテムとして定着している。

青汁用途の需要拡大を背景に、クマ笹の事業化を50年以上に亘り手掛けるユニアルは、青汁用途で需要高まる『クマイザサ粉末』に加え、新たにクマイザサ由来『乳酸菌』の原料・OEM供給をスタート。「クマイササからの乳酸菌の分離は、過去に例がない」という。なお、『クマイザサ粉末』の「整腸」関連のヘルスクレームで機能性表示食品の届出も年度内に計画している。

■ヘビーユーザーの高齢化受け新たな顧客獲得の動き

健康食品原料では、主にクマイ笹、チシマ笹、オオバ笹の 3 種類が流通しており、産地や抽出法によって、オ ーラルケアや抗炎症、免疫賦活作用など様々な用途に応用される。抽出法には、星製薬の『熱加水分解抽出法』や、東洋アドレの『蒸煮熱水抽出法』のほか、温度をかけず、溶剤を使用せず、強い力で押し潰す『低温高圧圧搾抽出法』や、成分ごとに時間と圧力を変えて抽出する『循環多段式加圧抽出法』などがある。

最終製品は、薬系・医家ルートや無店舗を中心に、底堅い人気を堅持する反面、愛用者が高齢者で占める割合も高く、新たな顧客獲得も課題に。全国の主要百貨店「北海道物産展」限定で『クマササエキス顆粒』を販売するケン商は、「百貨店催事場では珍しく、数万~数十万でまとめ買いする長年の愛用者がある」とする一方、「高齢で催事期間に足を運べず、在宅での直販を希望する声もあり、値崩れしない新たな直販モデルを模索中」という。

星製薬では、40余年のロングセラー定番アイテム『ホシ隈笹エキス』の実績を活かし、クマ笹に次ぐ新たな柱として、保険薬局向けサプリメント『ストレストEXシリーズ』を開発。今月開催の「第 1回保険薬局支援展」で初披露する。

白寿生科学研究所では、全国約500箇所で展開するハクジ ュプラザにおいて、クマ笹サプリ『ササロン』を提案。「サプリメントの販売より、食事・運動・栄養の三位一体を前提とする白寿健康法の提案がメイン」として、地域高齢者の健康増進に繋がるコミュニティ機能が、神奈川県未病研究会などに注目されている。愛用者の大半を占める高齢者向けに、今後、未病の取り組みに力を入れていく。

サンクロンでは「笹の採取にあたり、葉が大きく質もいい長野県北に工場を移し、製品リニューアルで従来よりも高額製品を上市した」という。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1683号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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