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特集【スーパーフード最前線】「スポーツ」、「介護」、「ギルトフリー」など 新市場創出“次の一手”に期待

美容・健康意識の高い女性層を中心に根強い人気を誇る「スーパーフード」。市場にはスピルリナやキヌア、カロブパウダー、チアシード、テフ、アムラなど、栄養・健康成分を効率的に摂取できる多彩な製品が流通している。原料形態はホールフーズほか、スムージーや料理に使いやすい粉末がべース。ヨーグルトやサラダに添加するなど活用できる料理の幅も広い。一方、一時のブームが落ち着いたことから、サプライヤーサイドでは新たな打ち出し方を模索する動きも。スポーツや介護向け、ギルトフリー訴求、機能性表示食品など、新市場創出に向けた新たな取り組みが始まっている。

■消費者認知度「7割」。利用者の過半数「週1回以上摂取」

スーパーフードの認知率は7 割――。調査会社・マイボイスコムが実施した1万217人を対象としたインターネット調査によると、スーパーフードについて、「どのようなものか知っている」「名前を聞いたことはある」の合計は7 割。「習慣的に摂取している」が6.6%、「時々摂取している」が27.2%で、現在摂取者は3 割強に上ることがわかった。

沖縄スーパーフード協会が発表したスーパーフードに関する調査では、スーパーフードを実際に食べたことがあると回答した過半数の人が、「週1 回以上摂取している」との結果も。スーパーフードを利用する人は、ある程度定期的に摂取していることがわかった。

日本でスーパーフードという言葉が使われ始めたのは2013年頃。火付け役は2014年に一大ブームを起こしたココナッツオイル。その後、アサイーやチアシード、スピルリナ、マカ、キヌア、ビーポーレンなど、ブーム以前に国内に流通していた素材も、高い栄養価からスーパーフードとしての認識が高まった。

近年ではテレビや雑誌、Webで取り上げられる機会も増え、色鮮やかなスーパーフードメニューが“インスタ映えする”と紹介されたり、スーパーフードを愛用する女性タレントがその魅力を語るなど、様々な切り口で紹介されている。Webでは、スーパーフードを使ったスムージーやスープ、スイーツ、サラダのレシピ紹介も多くなった。市場規模は400億円まで成長し、2016年の約300億円から33%増で推移している。

■新たな分野への提案本格化

日本に定着したといえるスーパーフードだが、さらなる利用拡大に向けた取り組みが各社で行われている。そのひとつが、介護やフィットネス分野への提案だ。スピルリナを供給するDICライフテックは、高齢者の低栄養(低たんぱく質)対策やフレイル予防、スポーツ後のたんぱく補給にスピルリナを提案。“消化吸収率95%の高さ”や“豊富なタンパク質”を打ち出した提案を本格化させている。

「最近では、プロテインにプラスするニーズもある」というのは、グリーンバナナパウダーのサプライヤー・ユニテックフーズ。スポーツ向け商品の採用は「2ケタ成長を続けている」という。ヘルシーナビが展開する『チアシードプロテインパウダー』は「スポーツニュートリションや一般食品加工分野で年々引合いが拡大している」という。

罪悪感から解放されて食事を楽しめる「ギルトフリー」を打ち出した提案も。マメ科植物・カロブの莢を焙煎・粉砕した「カロブパウダー」は、脂肪蓄積抑制作用や血漿中コレステロール値の上昇抑制など、多様な機能性研究が報告されている。

ココアのような風味を併せもつことから近年、菓子業界からの注目度が上昇。チョコレート菓子などへの採用が活発化している。カロブパウダーを提供するタイショーテクノスによると「食べても罪悪感のない“ギルトフリースイーツ”としてのニーズが高まっている」という。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1685号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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