オリーブ関連商品が注目を集めている。オリーブオイルは、食用油のカテゴリーで、利用方法や健康機能が広く知れわたり、年々需要が増加。マーケットサイズは400億円に到達し、キャノーラ油を抜いてトップシェアとなった。果肉や葉に含まれる有用成分を利用したサプリメント、化粧品への関心も高まっている。機能性研究のデータ蓄積が実り、業界待望の機能性表示食品が登場。「LDL(悪玉)が気になる方へ」「運動と併用することで筋肉を維持する」などが謳えるようになり、市場活性化が期待される。
■食用油でトップオリーブオイル、400億円台に
オリーブの歴史は古く、発祥地である中東や地中海地方では、日々の暮らしに深く根付いており、「太陽の樹」、「生命の樹」などとも呼ばれる。国内では、この10年でオリーブオイルの利用が拡大。独特な風味や香り、長い食経験からなる安全・安心感に加え、料理における活用法や健康機能が知れわたり、消費者の利用に拍車がかかった。日清オイリオグループの定点調査によると、2018年度の食用油市場は1,496億円で、オリーブオイルは400億円を突破し、前年比2 ケタ増を達成。
キャノーラ油を抜きトップに踊り出た。消費者の健康意識の高まりや、“ふりかける”“そのまま摂取”といった生食需要が増えたほか、スペインをはじめとした生産地の不作も収まり、価格が安定したことも大きいようだ。都市部を中心に専門店も増えており、オリーブオイルが身近な存在になりつつある。
日本オリーブオイルソムリエ協会では昨年、西武池袋本店と共催でオリーブオイルイベントを開催。多くの来場者で賑わい、今年も7 月の開催が決定している。同協会の多田俊哉理事長は、「オリーブオイルに対する関心は高かった一方、十分な情報が伝わっていない部分もある。さらなる市場拡大を期待するうえでも流通、小売業界の方々にオリーブオイルの正しい知識を伝えていきたい」と話す。
■オリーブ果実・葉、多彩な機能、機能性表示で上昇気流
国立健康・栄養研究所の健食データベースでは文献検索した情報として、オリーブオイル、オリーブ抽出物を用いたヒトでの評価で血圧低下作用、コレステロール低下作用、中性脂肪低下作用、糖尿病の発症リスク低減、変形性膝関節症の痛み低減―― などに関する有効性が紹介されている。
市場では食用オイルのほか、葉や果肉含まれる有用成分「ヒドロキシチロソール」「オレウロペイン」「ベルバスコシド」「オレアノール酸」「マスリン酸」などに着目した機能性素材が流通する。新たな動きでは、一昨年11月に業界待望の機能性表示食品が登場以降、オイル、ゼリー、サプリメントが受理されている。表示内容は、「抗酸化作用を持ち、血中のLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が酸化され酸化LDL-コレステロールになることを抑制させることが報告されています」(機能性関与成分:オリーブ由来ヒドロキシチロソール)、「筋肉に軽い負荷がかかる日常的な運動と併用することで、加齢によって衰える筋肉を維持する」(同成分:マスリン酸)など。
本記事の続きは「健康産業新聞1686号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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