世界的に急速な広がりをみせている“プラントベース・フード”。トレンド情報誌『日経トレンディ』が報じた2020年のヒット予測では、“国産・植物肉バーガー”が選出されるなど、世界的潮流は着実に日本市場にも波及している。昨年は植物性商材専門の展示会が初めて開催されるなど、プラントベース・フードを取り巻く環境が大きく変化。テレビや雑誌のメディア露出も増加傾向にあり、2018年は約150件以上に。2016年の2倍以上となった。「プラントベース」が注目される理由とは?
植物性原材料を中心にした加工食品「プラントベース・フード」。トレンド情報誌『日経トレンディ』(日経BP発行)は昨年末、毎年恒例のヒット予測2020を発表し、国産・植物肉バーガーを選出した。国内市場では昨年、植物性商材専門の展示会が都内で初めて開催されるなど、プラントベース市場の拡大機運が一気に高
まった。
市場では大豆ミートの国内生産量が増加傾向にある。日本植物蛋白食品協会によると、2019年は33,297トンで、2010年と比較して41%増で推移。植物性たんぱくの使用用途も拡大傾向にあり、水産練り製品や食肉製品、各種調理食品、パン・麺・菓子類などが続々登場している。食品宅配サービスを行うオイシックス・ラ・大地は昨年、代替え肉のハンバーグパティ「国産きのこハンバーグパティ」を投入した。イケア・ジャパンでは昨年、べジドッグなどのレストランメニューを開発。食感を追求した商品や大豆臭を軽減した商品開発も活況を呈している。今年は食肉大手の日本ハムや伊藤ハム、大手食品卸の日本アクセスが相次ぎ参入。大豆を主原料にしたハムやソーセージ、ハンバーグ等の製品化に拍車が掛かっている。大手の参入で市場の変化は加速度を増しているといえる。
「近年は食生活の洋風化に伴う動物性たん白・脂肪の摂りすぎによる健康面の懸念から、植物性たんぱくの栄養学的な重要性が高まっている」と語るのは同協会専務理事・篠崎一彦氏。伸長の背景について「罪悪感なく食べることができるギルトフリーの食生活に適合するほか、2030年までの国際目標であるSDG s にも貢献できること」と分析する。代替肉の開発ベンチャー・グリーンカルチャーによると、ベジタリアンやヴィーガンにとどまらず、「ミレニアル世代を中心に美容や健康、ナチュラル、ロハス、サスティナビリティ等の観点から支持されている」と指摘。ベジタリアンや宗教的な制約を受けない“一般の人々の支持”も大きいようだ。不二製油グループ本社が実施した調査では、ミレニアル世代の約4 割が植物性食品中心のライフスタイルに興味をもつことが明らかになっている。
こうした新しい潮流と健康食品も無縁ではない。米国では現在、クロレラがヴィーガンに浸透しているように、国内市場でも“プラント・ベース”を切り口にした新たな市場創出が期待されている。今後はハーブや藻類を得意とする原料サプライヤーにとって商機が広がりそうだ。
本記事の続きは「健康産業新聞1685号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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