機能性表示食品の受理累計数が2,500品を突破した。2019年度の受理数は年度別で過去最高となる可能性が高く、参入企業は700社がみえてきた。利用されている機能性関与成分は、これまで最も多かった「難消化性デキストリン」を抜き「GABA」がトップに踊り出た。また、運用5年目となる中、各社の機能性研究が進み、「ローヤルゼリー由来ペプチド、ローヤルゼリー由来10-ヒドロキシ-2-デセン酸」「豚プラセンタ由来ペプチド」など新規関与成分も増えている。
■19年度受理件数・670品突破参入企業も続々
消費者庁は2 月25日、機能性表示食品として受理した8 品の情報を公開、届出取り下げを除く累計数は2,504品となった。昨年7 月12日公表分で2,000品を突破してから約7ヵ月半で約500品を上乗せした。取り下げを含む品目数を年度別でみると、2015年度は310品、2016年度は620品、2017年度は452品、2018年度は690品。2019年度の受理数はすでに674品で、最も多い2018年度を超えるのはほぼ確実な勢いだ。事業者数は、690社を超えた。受理企業のトップ5 は、ファイン(73品)、東洋新薬(71品)、日本水産(57品)、アサヒ飲料(40品)、伊藤園(38品)。受理数10品以上の企業は50社で全受理数の43%を占めている。桃屋、ドール、宮島醤油、アイリスオーヤマなど、食品メーカーや異業種からの参入も相変わらず活発だ。
■新規関与成分が多数「生鮮食品」も約60品に
2,504品を剤型別にみると、「サプリメント」が49.5%、「サプリメント以外の加工食品」が48.1%で割合はほぼ同じ。「生鮮食」は2.4%で59品に。各自治体による機能性表示食品制度における支援体制の充実化が進み、地域産物を活用した機能性表示食品が増加。2019年度は、エノキタケ、パプリカ、バナナ、鶏肉・豚肉などに含まれる健康成分に着目した生鮮食品25品が受理されている。
機能性の評価方法は研究レビューが92.9%で依然圧倒的となっている。本紙の独自集計に基づく機能性関与成分のランキング1 位は、「GABA」で、270品を超えた(単独配合のみを集計)。「血圧」「快眠」「ストレス」「疲労」カテゴリーの機能性表示が可能で、サプリメント、飲料、菓子類、生鮮食品など幅広い食品形態に利用されている。2 位は僅差で「難消化性デキストリン」。3 位は、「EPA・DHA」。次いで、「イチョウ葉」、「葛の花由来イソフラボン」、「ビフィズス菌」「テアニン」、「ヒアルロン酸」、「ルテイン」と続く。新規関与成分も増えており、「ローヤルゼリー由来ペプチド、ローヤルゼリー由来10-ヒドロキシ- 2 – デセン酸」「豚プラセンタ由来ペプチド」「納豆菌由来ナットウキナーゼ」「ロダンテノンB」などを利用した機能性表示食品も登場している。
機能性表示は、脂肪系や血圧、整腸、血糖値といった「従来特保型」が51.6%で過半数を占める。GABAが活用されることも多い「快眠・ストレス・疲労」が10.9%でこれに続く。以下、「アイケア」が7.4%、「認知機能」が7.2%、「肌」が7.0%「関節・筋肉・歩行」が6.3%など。一方、届出取り下げの累計は242品。取り下げ理由は「終売・商品中止」が58%で最も多くなっている。2019年度の届出取り下げは今のところ3 品のみ。
本記事の続きは「健康産業新聞1687号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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