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連載【追跡話題】経済に大打撃のコロナ騒動 健食市場への影響は?

新型コロナウイルスの感染者は、わずか2ヵ月で8万人超に拡大。国内でも550例強の感染者が確認され、3月一杯はリモートワークに切り替える事業者が続出、国内3分の2の事業者の経営に影響が出ている模様だ。コロナ騒動の健食市場への影響を追った。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続いている。潜伏期間が2~14日(平均5.8日)と長く、発症しない状態で拡散する可能性があることから、中国湖北省武漢市を発端に、最初の患者の発見からわずか2ヵ月の間に世界29ヵ国で感染者数8 万人超、死者2,707人(日本環境感染学会:2 月25日現在)に拡大。国内の新型コロナウイルス感染者数は568例(無症状病原体保有者64例含む:厚生労働省:3 月11日現在)だが、5 ~11日の推移だけみても1 日当たり約50人ずつ増加している。

現状、有効なワクチンや抗ウイルス製剤がなく、安倍総理の声明を受け、3 月一杯の外出や各種イベント等を控える傾向に。日本商工会議所が2月に実施した調査では、新型コロナ感染拡大により、国内の3分の2 の事業者の経営に影響が出るとしている。

ドラッグストアなど一般店頭では、マスクなど感染予防関連品が急伸。卸やドラッグチェーン各社からは、「新型コロナの影響でマスクや手指消毒などの除菌関連商品が品薄状態」「生活雑貨や水まで売れ出した」などの声が多い。「これだけ予防に注目が集まるのはノロウイルス以来。消毒液設置の文化が根付いたように、予防関連の棚作りなど新たな現象を生み出すのでは」といった声も。

経産省「商業動態統計」1 月速報値では、花粉症も相俟ってドラッグストアでマスクや除菌関連製品の販売額が急増したほか、健食販売額も前年同月比7.6%増と伸長。健食素材では、ビタミンCをはじめ、プロポリス、クマ笹、乳酸菌、緑茶、ショウガ、ニンニクなど、免疫賦活作用や抗ウイルス作用に期待できる素材を再評価する傾向に。

一方、メーカーやサプライヤーの中には、3月一杯の企業間の面談禁止など、まともな営業活動が行えていないケースがある中、「リモートワークの影響か、メルマガからのサンプル請求が高まった」「通販向けの案件が伸びている」といった声がある。

また、中国からの原料供給がストップし、中国依存型から国産素材や国内製造に目を向けるなど新たな特需も出始めている。インフルエンザやSARSと比較する情報も錯綜し、感染予防関連のひとつとして健康食品への注目も高まる中、「免疫」の直接表示はNGである点を踏まえ、販売方法には注意が必要だ。健食受託メーカー各社では、「朝一で就業者の体温等健康をチェックし、熱など疑いのある場合は勤務させない」など感染者を出さぬようさまざまな対策を講じている。

万が一出た場合の対応について、厚労省では「対策に関する情報発信以外は、ケースバイケースで対応が異なる」としている。新型コロナウイルスは、いつ終息するか見えず、経済・社会的影響が大きいため、各方面で早期対策を講じる動きがしばらく続きそうだ。

本記事の続きは「健康産業新聞1688号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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