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特集【健康酢】「 健 康 酢 」 市 場、躍 進 続 く !

2019年度の健康酢市場では、黒酢や果実酢などのビネガードリンク(酢飲料)が前年比2ケタ増と好調をキープ。機能性表示食品にも65品目が受理されており、30品目以上が既に販売されている。内臓脂肪の減少や血圧低下、疲労回復などをパッケージに表示した製品群は、健康志向の高い消費者のハートを掴んでいる。一方、黒酢エキス末や黒酢もろみ末を用いたサプリメントは横ばいから微減と堅調な動きだった。国民の健康志向を受け、発酵食品がブームの中、伝統的な発酵食品の大本命「酢」の躍進が続いている。

■伝統製法「壺造り黒酢」のイノベーションに期待

健康食品業界で言う「健康酢」とは、黒酢や果実酢などのビネガードリンク(酢飲料)と、黒酢エキス末や黒酢もろみ末をハード・ソフトカプセルに詰めたサプリメントタイプの主に2 種類。なかでも健康酢の代表格である黒酢は、メディア露出も高まっていることから、「健康に良い」ことが広く一般に認知されており、安定した市場を築いている。黒酢の機能性については、これまで疲労回復、高血糖・高脂肪抑制、抗アレルギー、血圧降下、血清コレステロール低下、免疫賦活や抗腫瘍、さらには認知症予防―― など様々な効果が、動物やヒト臨床試験で確認されている。また近年は、黒酢に含まれる「D-アミノ酸」の美容効果なども報告されたことで、健康分野のみならず、美容・美肌分野でも注目を集めている。

現在流通する黒酢には、大きく2つの流れがあり、坂元醸造や重久盛一酢醸造場(まるしげ)、福山酢醸造(ヤマシゲ)などが、江戸時代後期より鹿児島県霧島市福山町界隈で製造している壺を使用した伝統製法による「鹿児島の壺造り黒酢」と、Mizkanやタマノイ酢、マルカン酢など大手有力メーカーによる大量生産品がある。

前者は「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)に基づき、2015年に地理的表示保護制度(GI)の登録も受けている。生産量は少ないものの、高付加価値製品として人気が高い。サプリメントに使用されている原料の多くが前者だ。最近では伝統製法を生かしつつ、若手経営者を中心に新たな製品開発にも取り組んでおり、イノベーションを起こしつつある。

■ビネガードリンク、前年比2ケタ増を維持

全国食酢協会中央会が今年1月に発表した食酢の種類別生産実績によると、2018年の米黒酢の生産量は前年比120%の1 万1,400kL、果実酢は同108%の2 万8,100kLとなっている。2019年度の健康酢市場でも、ビネガードリンクの売れ行きが依然として好調をキープ。大手のミツカングループやタマノイ酢、マルカン酢などはリリースや決算発表で、軒並み前年比2 ケタ増と好調な数字を報告している。

一方、福山町の壺造り黒酢は、各社への取材で、概ね前年比横ばいと堅調に推移していることが分かった。食品POSデータを集計・分析している㈱KSP-SPが、昨年11月29日に発表したビネガードリンクのマーケットトレンドレポートでも、全国約550店舗の食品スーパーのPOSデータを分析した結果、2018年11月~2019年10月のビネガードリンクの動向は、金額・数量とも前年比2 ケタ増と好調をキープ。なかでも2018年春以降、韓国の果実酢「美酢(ミチョ)」シリーズが急伸していることを報告している。

ビネガードリンクはまた、機能性表示食品としても受理件数が増えており、酢を用いた清涼飲料水の項目で11日現在、65品目が受理され、30品目以上が既に販売されている。酢酸を関与成分とし、「肥満気味の健康な方のおなかの脂肪(内臓脂肪)を減少させる機能」での受理が多いが、クエン酸による疲労回復、GABAによる血圧低下などで受理する製品も見られる。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1688号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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